ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 世界に届かず彼女は堕ちる ( No.7 )
- 日時: 2011/04/03 08:28
- 名前: ポアロン (ID: rb3ZQ5pX)
▲プロローグ▼
此処は何でもアリの魔法世界。制限も何も無い、自由世界。でもそんなのはもう飽きた。僕の力でこの世界を変えてみせるんだ、絶対に。
そして人間というあの醜い生き物を全滅させちゃおうか。
▽
「はーい皆さん席に着いて。今日は転校生がこのクラスに来ます」
ざわざわとしていた教室が一瞬で静かになる。
———何で?転校生とかどうでもいいのにね。
そんな周りの反応を見つつ私は思う。
「はーいじゃ、どうぞ」『ガラッ』「嫁募集してますわー」「鬼良五月蝿い消すわよ?」
———……何処のお笑いコンビだよ!!
———って、ツッコミ入れちゃったじゃんかバカ野郎!!
いやだって本当いきなりそんなこと言いながら入ってきたらビビるだろ。
「じゃぁてきと--------------------------------に空いてる席に座っといて下さい、授業始めます」
「うぃーっす」「了解しました」
———うん、あの男子のほうはどう考えても………
「ってちょっと待てセンコー!!そいつら自己紹介してねぇよ!!」
いくらもう年だからってそれは忘れんじゃねぇ!!
▽
———あー…もう嫌だ、最悪だ。
———クラスメイトに変な目で見られたし…。
「———…い!なぁおいってばー」
「んむあああああああああ五月蝿いわあああああ!!」
肩を揺らされて立ち上がる。人が落ち込んでる時にユサユサすんなっ、うざったい!!
「オレ夜刃 鬼良っつー奴なんだけどさ。お前は?名前」
「……何でアンタに教えなきゃいけねぇんだよ。しっし。半径365度以内に寄るな」
「はは、半径は度で表すもんじゃねぇよ?しかも365度って一周超えてるし」
「黙れこのっ…今のはわざとだバカ野郎が!!
……石原 湊だ。じゃな」
これ以上コイツと一緒にいたらおかしくなる。
よし、コンビニ行こう。
▽
「だぁぁぁぁぁぁぁ人間死ねぇぇぇぇ!!!」
同時刻、魔法世界のスガーという村で、1人の女性がサンドバッグ相手に魔法を掛けていた。
「『影』よ行けっ!!」
そう彼女が叫ぶと、彼女の振り上げた指先からにゅるり、と光の無い黒い物体が表れ、サンドバッグを破裂させた。
これが人間だったらどんなに恐ろしいことか。
「おいフォー何してる。またサンドバッグ壊して」
———フォー=アラスメント。それが彼女の名。
「兄さん。 いやな、人間を殺す為のトレーニングだ。昨日よりもまた威力増したんだぞ」
長い黒髪を揺らし、笑顔で兄、フィー=アラスメントへと駆け寄っていく。
「そうか。片付けお疲れ」「え、手伝ってくれないのか!?」「誰がやるか」
砂、砂、砂。面倒なことこの上無い。
「兄さぁぁぁん!!頼むよ、何でもするから手伝ってくれっ!!!」
そんな叫びが朝の魔法世界に響いた。