ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 世界に届かず彼女は堕ちる〜参照300突破致しますた〜 ( No.81 )
- 日時: 2011/01/24 21:16
- 名前: 緑紫 (ID: rb3ZQ5pX)
- 参照: 「りょくし」です。元「ポアロン」と申します故。
▽
『ガシュ』『バリっ』『グシュ』
歪な音を立てながらその女、永遠の魔女は隣に立つ女に言う。
「ライ。 こいつはなかなか美味いぞ、喰うか?」
骨に付いた肉をかじり、体内から出た血を舐めながら。
「いや〜、わたしは遠慮しとくよ〜。そーゆーのは好みじゃないんだ」
そう言いながらスカートのポケットから小瓶を取り出し、
「わたしは酒が好きなの」
ぐび、と飲み干す。
「うぬはまだ19歳なのだから、あまりそういうモンは飲むでないぞ」
「解ってますよぉ〜」
心配そうに横目で見ながらも止めることはない永遠の魔女。
「魔女ちゃんは20歳過ぎてんだから飲めばいいじゃん?嫌いなの?」
ぐい、ともうひと瓶を取り出し、永遠の魔女にそれを進めるライ。
「嫌いというわけではない。 ただ血の方が好きなだけじゃ」
「ふーん、吸血鬼みたいだね〜」
魔女が飲まないと解るとライはそれの蓋を開け、また一気に飲み干した。
———うーん、それにしても今日の酒はなんだかしっくり来ないな〜。
———まぁいいか。
空になった小瓶をぽい、と道に投げ捨てて、彼女は真っ赤な月を見た。 血のように、ただ純粋な赤を帯びた月を。
「魔女ちゃん? 何でさぁ、本名教えてくんないの?」
ふとした疑問。 それを問い掛けてみる。
「ふん、そんなのは簡単な話じゃ」
一瞬戸惑っていたが、
「捨てた」
短く、吐き捨てた。
少し、哀しげな表情で、深夜の曇り空を見上げて。
▽
「ねぇ鬼良。 つかれたからおんぶしてってくれない?」
「馬鹿言わないでくれ」
がさがさとコンビニの袋の音をたてながら鬼良は冷静にツッコむ。
———これ以上重くなったらどうしてくれる。
袋の中身は半端な量じゃない。
お菓子が十種類以上におにぎり五種類。弁当が三箱。おまけにジュース(ペットボトル)が四本、パンが六個。
———金が既に宙に飛び立ってったよ…。
———くっそ、ゲーム買う金無ぇじゃんか。
———たまには宗弥だって買ってくれればいいのに。
お札に羽が生えたあの画像を想像してもらえればお解り頂けると思う。
———御理解、頂けたでしょうか読者の皆様?
「鬼良、明太子味のおにぎり取って」
「この状況で良くそんなことが言えるな!! …まぁいいよ、ホレ」
ぽい、と袋の中からおにぎりを取り出して投げる鬼良。
「これ、ツナマヨネーズだけど」
「別にいいだろ何でも」
「太る」
「知らんわもう!! じゃあ食うな!」