ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 世界に届かず彼女は堕ちる〜参照300突破致しますた〜 ( No.90 )
- 日時: 2011/01/30 14:34
- 名前: 緑紫 (ID: rb3ZQ5pX)
- 参照: お久し振りです、皆さん。
▲△第三魔法:今宵の月はただ紅に▼▽
「……ああ、面白くない、面白くない。 見ているだけで吐き気がするわ。
ねぇ永遠の魔女、お前ほんとに馬鹿なのね。 を退屈にさせる奴は、消え失せないさいな--------------!!」
紅い月の隣でふよふよ浮きながら、その何かは言う。 暗闇で服装はよく見えないが、小さいことは確かだ。
「 様。永遠の魔女は、封印した筈では御座いませんの?」
ひらり、と何かを翻す音がして———またも黒い影が並ぶ。
「したわよ!! きちんと氷の中に押し込めて、それを頑丈な鎖で縛って、ついでに永遠の魔女の身体も縄で縛ったわ。 なのに、なのにどうしてよ!!」
「てか趣味悪いですわね、貴女という人は本当に」
サラリとそこにツッコミを入れてから、もう一人の女は答える。
「彼女の力が、それに適ったということでは御座いませんの? 実際此処を創り上げたのは、貴女ではなく永遠の魔女ですわよ?」
しゃらん、という音がして、その女は袖口から鉄扇子が取り出した。 それを何故か、空を切るようにして、ぶん、と振る。
「ぐぎゃあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああっ」
叫び声と共に黒ずくめの男が自分の血にまみれて、堕ちていく。
「何処の使いかしらねぇ? もし貴方が殺さなければ、彼を の犬にしてあげたっていうのに」
「 様の趣味の悪さは本当にどうにかならないものでしょうか? わたくしはとても心配ですのよ?」
血の付いた部分を彼女が撫でるようになぞると、その血は跡形もなく消え去り、扇子は元の色を帯びて、輝く。
「ああいうのを犬にするのは案外楽しいものよ?貴方も一度やってみなさいな」
「遠慮しておきますわ。 わたくし男は世界で一番嫌いなのですわ。 汚いし汚らわしいし厭らしい(いやらしい)ことしか考えていませんもの。 あんなものはもう消えればいいと思いますわよ?」
苦虫を潰したような顔で、その女は言う。
綺麗な顔立ちで、如何にも日本人、といった感じで、美しい。 服装は昔の戦国時代の姫君のような着物。色とりどりに着飾って、髪は黒で長く、脹脛まではあると考えても良さそうだ。
「わたくしに必要なのは、可愛らしい愛溢れる女の子しか要りませんわ。 男など、華はありませんもの。 ああ、汚らわしい」
「 だって別に男好きってわけじゃないわよ、そこんとこ勘違いしないで頂戴。
あいつらはね、 達のような女に使われるとその場で裸になりたいくらいの喜びを感じるんだそうよ。 だから は、使ってあ げ て るの。 ただそれだけのことよ。
まぁ の性格上、それは面白いことだから続いているのだけど。 貴方は本当に無理そうね」
その小さな女は会話を止め、
「夜が明けるわ。 はもう行かなくちゃ」
そう言って、雲と共に消え、見えなくなった。