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Re:   と姫  目指せ! 乙女ゲーム風!← ( No.24 )
日時: 2011/01/15 13:53
名前: 魑魅魍魎 ◆UTmvEGhzaE (ID: OeXJRIuY)



「いやぁっ!!!!」

二人の男に腕を押さえられ、一人の男に乱暴に服を裂かれる。

男らはニヤニヤと満足げな表情をしている。
        

          彼が来てくれたら───。いいのに。





「ここかっ!!?」

ドアを壊す勢いで開き、今の状況を見て腰の剣に手をかける。



「姫を狙うたぁてめぇらいい度胸じゃねぇか……」

その声は怒りに震えていて、誰にかに止められる雰囲気ではなかった。


「ふん! たかが亡国の兵士……ぐぁっ!!」

名乗りを上げる兵士の喉元を貫き、二人の兵士に目をやる。



「てめぇらもこうなりたくなかったら姫を返せ」

小心者の敵国の兵士は、姫の腕を解放して四つん這いになりながら蒼白い顔で逃げて行った。




「ベリアル……?」

まさか本当に来てくれとは思わなかった。きっと、城が陥落したのも知らずに剣を振るっているのだと思っていた。


「悪い……。守ってやれなくて……」

姫にこんなに恐ろしい思いをさせたと言う罪悪感と、無事でよかったと言う安息が混じる。



「いいのよ、来てくれただけで……」



それで私は救われる。それだけでいいの。助けに来てくれたという事実だけでいいの……。