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ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: と姫 目指せ! 乙女ゲーム風!← ( No.45 )
- 日時: 2011/01/16 16:54
- 名前: 魑魅魍魎 ◆UTmvEGhzaE (ID: OeXJRIuY)
私も病気に罹ってしまい、死の淵を彷徨っている。彼も、随分良くなったものの完治してはいない。
お互いに、いつ消えるか解らない命同士、今を精いっぱい生きています。
決して死んでから後悔しないように、今できる事を全てやっている。
私たちは結婚した。誰も知らない夫婦。赤ちゃんを作るのは無理でも、幸せです。
この世から存在を消されたように、目立たずにひっそり暮らしている。不便も多いけれど、彼が居れば大丈夫。
お互いに支え合って、どれだけ小さな幸せでも今は大きく感じられる。
出来れば、病気になる前の彼と幸せになりたかった。彼をここまで苦しめた父様の存在が憎い……。
でも、憎みきれないのが私の良い所か、また悪い所。
だって、こんな命なら幸せだけ噛み締めていたいじゃない。
小さくて、いつ消えてしまうか解らない。でも、それでも幸せです。
いつものように笑顔で、出来れば何一つ変わらず。できれば、一分一秒でも長く生きたいと願う。
過去の事を悔んでも仕方がないから、今は───、今ここに存在する幸せを受け入れて───。
散る時は静かに。悲しんでくれる人は彼だけでいい。
「じゃあね、アムドゥシアス」
「……今まで、よく頑張ったね」
—E N D−
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