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ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 黒白ノ歴史 -静かに狂想曲は始まる- ( No.11 )
- 日時: 2011/01/15 14:41
- 名前: 花影 ◆wNp4n0Oqx2 (ID: EHM01iHp)
ゴクリッ・・・・
誰かが唾を飲む音がした。ケインもエリスも何故か正座をして、聞く準備をしている。
『移動方法は・・・』
「移動方法は?」
ケインがオウム返しに聞いた。
『魔法、です』
沈黙が一瞬降りる。
『あたしやラウディは人ではないことは分かっていますよね?』
二人の表情を伺い、クレアは続ける。
『あたしたちは、貴方たちの持つその球体──イマージェネンスというのですが、それの主力制御システムなのです。
このイマージェネンスは、貴方たちのところで言う魔法を扱うためのものです。そしてもう一つ。イマージェネンスはマスターしか使えない。
私だとケイン。ラウディだとエリスのことですね』
クレアは言葉を一度区切る。
『それでは魔法の使い方について説明します。
魔法を使うときは、イマージェネンスが1mほどの杖になります。その時あたしたちはホログラム投影機能を停止しますから。
そして杖の状態にする方法ですが、頭の中で呪文を唱えるだけです。杖によって呪文は変わりますよ』
「呪文?」
エリスが小さく首をかしげた。とても子供らしい動き方だ。
『はい。とても簡単なものです』
ラウディはにっこり微笑み、言葉を紡ぐ。
『私の─エリスの呪文は、「サンライトフォール コンバート」太陽の光を集めろという意味ですね』
「太陽の光かぁ・・・」
エリスはうれしそうに微笑む。口角はつりあがり、瞳は半円を描いている。
「あ、そーだ」
突然立ち上がったエリスが、全体重をかけてケインに体当たりする。
「うおわぁ??!エリス」
ケインは顔からこけた。顔は土だらけになり、ちょっとかわいそうだ。
「呪文なーに?」
「教えない」
「えー!!」
エリスの叫びはこだました。
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