ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: ———あなたの恨みをはらします。オリキャラ募集中です ( No.25 )
日時: 2011/01/17 20:33
名前: チロル ◆iPIAnVtKco (ID: tCmJsotq)

6話

──────ここは、どこ?


私、花月えれかが目を覚ました場所は、どこかの病院の病室だ。


─────そうだ、私‥チョコレートを食べて、胸が苦しくなって‥‥‥。


う‥‥ここから先は、何も思い出せない。


───カチャリ。


病室の扉が急に開いた。


「お目覚め‥‥?クスクス‥‥。」


入って来たのは、高峰愛梨。


「無様ね、みっともなぁい‥!!キャハハハハハハ!!!」


愛梨は、高らかに笑うのだった。


─────くっ。


あ、あれ‥‥‥?声が出ない‥
声が‥‥‥声が‥‥‥。


「あららぁ?喋れないのぉ?だっさぁい!アイドルが、歌うことも出来ないだなんて。ましてや、声まで出なくなるんだなんて!!」

────高峰愛梨‥‥‥。


私は、愛梨を睨み付ける。


「いいこと?私はね、契約を交わしたの‥‥とても親切な人と。」

────親切な人?


喋れないから、愛梨は一方的に話続ける。


「あなたに復讐するために、契約を交わしたの!!まるで、リストカットしたみたいな傷まで作ってね。」



────復讐‥!?
私は、驚きを隠せなかった。


「私は、こうお願いしたわ。“浅川さんや他の共演者達と仲が悪くなるように”、“毒で声が出なくなるように”、“あんたの存在が消えるように”」


─────な、何を言っているの!?出せるもんなら、声を出したいけど、出ない。



「さぁ、せいぜい頑張るのね。」

愛梨は、嘲笑うように私を見ると、病室から出ていく。


───────
とぼとぼと、夜道を歩く私。
前は、変装しないと騒がれるほどだったけど、今は見向きもしない‥。


ドンッ‥‥


私は、サラリーマンにぶつかってしまう。


「いってー何にぶつかったんだ?」


サラリーマンはそう呟き、人ごみに消えていく。


─────やっぱり、私はこの世界から“隔離”されているんだ‥。


この世界には、私が“最初から存在しなかった”みたいに、時がまわる。



電気屋さんのテレビを見ると、高峰愛梨が映っていた。


ステージで歌う愛梨に、皆が歓声をおくる


────そうだ。
数日前までは、私があそこに立ってたんだ‥。


────そう思うと胸が締め付けられるような気分になる。


私はいつの間にか、マンションの屋上に立っていた。



────この世界には、望みなんてない‥‥。


私の可能性を失った世界‥‥。



‥‥‥みんな、さようなら。


って言っても、誰もわからないんだね‥‥。



私は、飛び降りようとしたとき‥


────ガシッ。



いきなり、腕を捕まれ後ろにしりもちをついた。