ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: ———あなたの恨みをはらします。オリキャラ募集中です^^ ( No.26 )
- 日時: 2011/01/19 18:52
- 名前: チロル ◆iPIAnVtKco (ID: S3B.uKn6)
7話
————いたた。
私は,マンションの屋上に立っていたのに,なんでしりもちをついているのだろう・・・。
「飛び降りちゃっていいのぉ・・・?」
私が見上げると,黒い服を着た女の子が見下ろしている。
「・・・私が見えるの?」
・・・あれ?
いつの間にか,声が出るようになっている。
「・・・当り前よ。3流アイドルの高峰愛梨の願いを聞いてい上げたんだから・・・」
女の子は,嘲笑っている。
「・・・あなた,こんなことして楽しいの?!私・・・こんな辛い目にあっているのに・・・」
女の子は少し黙ってから,こう答えた。
「・・・・だったら,復讐すればいいじゃない。」
「復讐・・・?」
高峰愛梨も同じことを言っていた。
「・・・わかった。どうすればいいの?」
私は立ち上がる。
「・・・この小瓶にあなたの血を垂らして・・・。少しでいいわ」
女の子は,小さな小瓶を差し出す。
私は,もっていたカッターナイフで人差し指を切り,血を垂らす。
私の血は,小瓶のなかで飴玉に変わる。
「・・・これで,契約は完了。さぁ,願えばいいわ・・・好きなように。」
女の子は背中を向けて立ち去ろうとする。
「待って・・・!」
私は女の子を呼びとめる。
私の声に気付いた女の子は,立ち止る。
「あなた,なぜ血を集めているの?!」
思わず聞いてしまう。
だが,女の子は平然とした声で答える。
「・・・あなたには関係ないことよ,花月えれか。」
女の子は,マンションの屋上から姿を消す。
「・・・復讐か・・・。」
私は手の甲にできた魔方陣のような模様を見つめていた。
————————
「いいんですか?漆黒さん。恨みを高峰愛梨の復讐相手の助けをして・・・」
お屋敷に戻った漆黒は,紅茶を飲みながら答える。
「何言ってるの,マカロン。私が目を付けた子は高峰愛梨ではなく,最初から花月えれかだったのよ?」
漆黒は,お屋敷の窓から空を見上げる。
「今日は,満月ね。マカロン・・・昔,お母さまとお月見をしたものね・・・。」
「そうですね・・・漆黒さん」
—————漆黒とマカロンは,しばらく月を見つめていたのだった。
