ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: ———あなたの恨みをはらします。イメソン募集中です☆ ( No.31 )
日時: 2011/01/22 21:04
名前: チロル ◆iPIAnVtKco (ID: S3B.uKn6)

8話

————ピピピピピ。


私,高峰愛梨は目覚まし時計を止めて起き上がる。


花月えれかが消えてから,気分がいい。


「行ってきます。」



私は,変装して街中を歩く。
今日は,ミュージックグランプリの生放送。


————えっ?


私はふと,電気屋のテレビを見る。
そこには,花月えれかが映っていた。



「な,なんで・・・あいつが!?」


私は,電気屋のテレビにしがみついた。

なんでアイツが・・・・
なんでなんでなんで・・・。



私の復讐は完了したんじゃないの?!



・・・・いいわよ。


何度でも,地獄の底に叩き落としてやるんだから・・・!!



私は,番組の収録スタジオへ向かう。




———————


「えれかちゃん,お疲れ〜!今日のミュージックグランプリもよろしくね〜」


プロデューサーは,えれかに飲み物を渡しながら言う。


「はい!あ,プロデューサーさん。お願いがあるんですが・・・。」


——————————



「花月えれか!!」


私は,スタジオの前で花月えれかに出くわす。



「高峰愛梨さん・・・。」


花月えれかは驚いた顔で,振り向く。



「どんな方法で,もとに戻ったの?!」


花月えれかは少し黙ってから答えた。


「なんて言ったらいいんだろうね・・・。愛梨さんの言葉を借りると,親切な女の子に力を貸してもらったの。」



「ふーん,で?何を願ったの?」



「なんだろうね・・・。」


花月えれかは少し笑い,背中を向けて去ろうとする。



「ま,待ちな・・・」


私が言いかけた時



「そうだ,愛梨さん・・・。ミュージックグランプリの会場に来て?」



花月えれかはそういうと,走って行ってしまう。



「なんなのかしら・・・」


まぁ,面白そうだから行ってやるわ・・・・。



———————————


「さぁ!はじまりました!!ミュージックグランプリのお時間です!!トップバッターは,花月えれかちゃんでーーーす!!」



わぁあああああああああああああ!!



大歓声と共に花月えれかがステージに上がる。



「・・・うるさいステージ・・・。」


私は,観客席から花月えれかを睨む。



「今日は,みんなにお知らせがありまーす!!今日は,私だけじゃなくて,もうひとり歌ってもらう子がいまーす!!それは・・・高峰愛梨ちゃん!!」



——————パッ・・・。


私にライトがあたった。


「ど,どうなっているの?!」


私が戸惑っていると,花月えれかが来る。


「愛梨さん・・・一緒に歌いましょう?」


花月えれかが手を差し出す。



わぁああああああ!!!



気づけば,私に観客は歓声を送っていた。



「うっ・・・」


私の目からは,涙がこぼれていた。




—————————

数日後



「漆黒さん・・・。花月えれかさんと高峰愛梨さん。ユニット組むみたいですね・・・。」


マカロンは,新聞を見ながらソファでくつろいでいる。



「久しぶりに,いい血ね。花月えれかの選択は正しかったのね。」


「そうですね・・・。」



「多分,願いは1つしか使ってないわね。」


「何を願ったんでしょうか・・・。」


マカロンは,紅茶を入れ,テーブルに置く。



「高峰愛梨がしたことをすべて,なかったのことにしたのよ。なぜ,復讐しないのかしら・・・。まぁ,私が知ったことじゃないわ。」


漆黒は,紅茶を口に運ぶ。



—————ちりんちりん。



鈴の音が,屋敷へ鳴り響く。



「マカロン,久々にお客さまみたいね。入ってらっしゃい。」


——————カチャ。



「し・・・漆黒さーん。やっと見つけましたよぉ・・・。」


「遅かったわね,李依流。さっさと,紅茶を」


「ご,ごめんなさい・・・あたし,コーヒーしか入れられなくて・・・。」


李依流は,縮こまる。


「あぁもう,コーヒーでいいからさっさと入れて・・・。」


漆黒は半分呆れている。


「あ,李依流さん!それは,コーラです!!」


マカロンが叫んだが,時すでに遅し。


「ぴぇええええ!!ご,ごめんなさぁい!!!」


李依流は,すべって転びコーラをひっくり返す。



「はぁ・・・・。ここもにぎやかになったわね。」


漆黒は頭を抱えるのだった。


————第一章 END————