ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: ———あなたの恨みをはらします。第一章,完結しました。 ( No.41 )
- 日時: 2011/01/24 19:53
- 名前: チロル (ID: cZfgr/oz)
───魔女達の宴。
Ⅰ.
────ボーン‥
日没を知らせる鐘が街に鳴り響く。
昼間は人間の時間──‥‥。
そして夜は‥‥‥。
「李依流‥‥。ご飯はまだなの‥?」
漆黒は、スプーンでワイングラスをコンコン叩く。
「はわわわっ、待ってくださいぃい!!!!き、きゃああっ!」
ドンガラガッシャーン!
‥‥‥ここから先は、ご想像にお任せするとしよう。
「全く‥‥あなたは、ドジなんだから‥‥。よく下を見て歩きなさいと言ってるじゃない。」
漆黒は、ほうきとちりとりで、割れたグラスの破片を集める。
「李依流さんが来てから、すっかり賑やかですね!」
マカロンは、他のものを準備しながら微笑む。
「マカロン、うるさいの間違いよ。」
「ひ、ひどいです漆黒さん‥‥。」
───李依流が来て、1週間が経った。
1週間のうち、様々な依頼を受け血を集めたのである。
「漆黒さんって、おいくつなんですか‥?」
李依流が言ってはならないことを言う。
「あんた、目上の人に年齢を聞くのは失礼な事よ?」
漆黒は、口調は優しいが相当怒っている。
「私より年下だったりします?」
────ぷちん。
漆黒は、李依流の頭をぐりぐりぐり‥‥‥。
「い、痛いですよ漆黒さん!どう見たって小学生じゃないですか!!」
李依流はもだえながら、抗議する。
「しょ、小学生‥‥!?失礼ね、私は見た目の10倍は歳いってるわよ!」
───まさかの爆弾発言?!
その時‥‥
───ガチャン!!!
屋敷の扉が豪快に開く。
「漆黒ー!!!!久しぶり!!」
入って来たのは、李依流とは対照的な人物だ。
「シェーラ‥‥あんたなのね‥。つい最近まで、“ガイコク”という場所へ居たと聞くわ。」
漆黒は、李依流から手を放し、ソファーに座る。
「いやーあたし、最近モテちゃってさー。漆黒みたいに、地味なゴスロリ女じゃないんだよ」
シェーラも、ソファーに腰掛ける。
「‥‥嫌味?私から見れば、ギャルも結構引かれるんじゃないの。」
漆黒は、紅茶を飲む。
が
すぐに吹き出す。
「し、漆黒さん?!」
マカロンは、漆黒が吹き出した紅茶を雑巾で拭く。
「ちょっと李依流‥‥なんなのよこの紅茶‥‥」
「え‥‥苦かったので、ガムシロ入れて‥‥」
李依流の声量はだんだんフェイドアウトしていく。
「ぷっ‥‥ははっ!!紅茶はアイスコーヒーじゃないぞー!」
シェーラは、お腹を抱えて笑っている。
李依流は李依流で、部屋の隅で小さくなっている。
「もう‥‥‥疲れるわ。全く‥‥」
漆黒はソファーに突っ伏す。
「あ、漆黒。あたしがここに来たのには理由があんだよ」
シェーラはそういうと、一通の手紙を出す。
「誰からよ‥‥。」
漆黒は手紙を開く。
