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Re: ———あなたの恨みをはらします。第2章,幕開け——— ( No.50 )
日時: 2011/01/27 17:33
名前: チロル ◆iPIAnVtKco (ID: S3B.uKn6)

10話


「ただいま‥。」


俺、神田冬馬は自分の家に入る。

「おかえり、冬馬‥」


お婆ちゃんが、茶の間から言うのが聞こえる。


俺は、祖父母の家で暮らしている。
両親が離婚し、父は単身赴任で週末しか帰ってこない。
姉は、1年前に他界した。


だから、俺一人だからというわけだ。


「ただいま、婆ちゃん。爺ちゃんは?」


俺は、カバンを下に置き、コートをハンガーにかける。


「仕事だよ。今夜は、ご馳走を作ったんだよ」


一応言っておくと、爺ちゃん・婆ちゃんと言っても50代。
まだまだ、気持ちだけは若いらしい。



「冬馬、また茜が事故にあった交差点で事故みたいだよ。大学生が‥‥怪我したみたいだよ、ほら‥」


婆ちゃんが、チャンネルを回すと事故の映像が映っている。

「婆ちゃんも気を付けてよ。足元危ないんだからな‥」


俺は、チャンネルを回す。


「婆ちゃん、花月えれかと高峰愛梨が新曲だってよ‥」


最近人気のアイドルだ。
俺は、AKD48の方が好きだが‥

「そんなこと知ってるわよ。婆ちゃんは、えれかちゃん大好きだからねぇ‥」


言っておくが、婆ちゃんは花月えれか親衛隊の隊員であり、隊員No.5という凄い婆ちゃんだ。


「俺は、AKD48の前川敦美とか‥篠崎麻理奈とかのがいいな‥‥」


「何を言うんだい!AKDよりえれかちゃんだろ!」


婆ちゃんは完全に、花月えれか厨だ。


───────

同時刻。


「‥‥‥虫がうるさい。」


ぷちっ


ある人物は、虫をつぶす。


「早く、漆黒さんを探さないと‥‥。必ず、この森のどこかに居るはず‥‥。」


────カツッ。


誰かが近寄ってくる。


「‥‥‥誰?」


ある人物は、音がした方を振り向く。


「‥‥ユリーサ・リコリスだな。」

やってきた人物は、マントをかぶっているため、顔は見えない。



「‥‥そうだけど。悪いけど‥‥あなたの相手をしている暇はない‥‥。」


ユリーサは、やってきた人物を軽く睨む。


「‥‥暇だろ、死神なんて‥‥。」

「‥‥っ!」


やってきた人物は、嘲笑うように言う。


「‥‥あんた‥一体何者‥?」