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- Re: ———あなたの恨みをはらします。第2章,幕開け——— ( No.58 )
- 日時: 2011/01/29 16:16
- 名前: チロル (ID: AWGr/BY9)
12話
─────
「あなた‥‥一体何者‥‥?」
ユリーサは、聞くが。
「なんで、死神なんかに名乗らなきゃなんねーんだよ。」
マントの人物は、頑固なようである。
「‥‥はぁ?‥‥私、人探しをしてるの‥‥。あなた、どーせ霊感かなんかが強い、人間でしょ?」
ユリーサは、背を向けて歩き出そうとした。
「‥‥待てよ、死神。」
マントの人物は、ユリーサを呼び止める。
「‥‥何よ。」
ユリーサは立ち止まって、振り返る。
「‥‥誰を探してるんだ。」
「‥‥あなた、この近くにある、古屋敷を知らない‥?」
「‥‥‥古屋敷?」
マントの人物は、しばらく黙ってしまう。
「そ。そこにいる、漆黒さんという人に用があるのよ。‥だから、黄泉の国からやってきたんじゃない‥‥。」
「‥‥案内してやろうか?古屋敷に」
ふいに、マントの人物は言う。
それにも、さすがのユリーサも驚いたようだ。
「‥‥あなた、漆黒さんを知っているの‥?」
「‥‥‥‥‥。」
マントの人物は何も答えなかった。
────ガサガサッ。
ユリーサとマントの人物は、音のした方へ視線を向ける。
「‥‥あ、ありましたぁ‥‥。私の100円‥!」
‥‥どうやら、李依流のようだ。
「‥あなた、そこで何をしているの‥?」
ユリーサは、李依流に近寄る。
「ぴぇええっ、寄るな・触るな・近づくなぁあっ!」
李依流の必死の抵抗だが‥
「‥寄るなと近づくなって‥‥一緒じゃねぇかよ‥」
マントの人物も少し呆れている様子。
「‥‥怪しい人じゃない‥!よかったぁ‥‥」
李依流はようやく落ち着く。
「‥‥ねえ、あなた。‥‥漆黒さんってわかる‥?」
ユリーサは、李依流を見下ろす。
「ぴぇええっ‥‥漆黒さんですかぁっ?!‥‥よく知ってますけど‥‥今から、お屋敷に帰るところです‥‥」
李依流は小さな声でボソボソ言っている。
「‥私は、ユリーサ・リコリス。漆黒さんに用があるの‥‥。案内して‥‥」
「は、はぃいいいっ!!」
─────
「‥‥はぁ。李依流はまだなの‥?!」
漆黒は少ししびれを切らしている。
「そうですね‥‥なんでカレーライスなのに、カレーのルーを買い忘れたんでしょうね‥」
マカロンは、掃除機を掛けている。
「こないださァ、紅茶にガムシロ‥‥ククッ。」
シェーラは、雑誌を見ながら思い出し笑いをしている。
───ガチャ。
「た、ただいま戻りましたぁ〜」
李依流は買い物袋を両手に持っている。
「おかえり‥‥。李依流」
李依流がただいまと言う前に、ユリーサが前に出る。
「‥‥あなたが漆黒さんね。」
ユリーサは、漆黒の前に来て漆黒をじっと見つめた。
