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Re: ———あなたの恨みをはらします。第2章,幕開け——— ( No.61 )
日時: 2011/01/29 22:55
名前: チロル ◆iPIAnVtKco (ID: S3B.uKn6)

13話

「何よ‥見慣れない顔じゃない。」


漆黒は、ソファーに座りユリーサを見る。


「私の名前は‥‥ユリーサ・リコリス。死神よ‥‥」


「死神‥!」


漆黒は死神という言葉に反応する。

──無理もないだろう。
自分の母親を人形に変えた奴らだったからだ。


「安心して‥‥。あなたのお母さんを人形に変えた死神じゃないから。」


「‥‥‥じゃあなんなのよ。」


漆黒は、ユリーサをにらみつける。

大事な家族を引き裂いた、元凶‥“死神”。
例え、彼女が自分の親を人形に変えた死神じゃなくても、簡単に信じることはできない。


「‥‥一応言うけど、私達死神の仕事は、黄泉の国に死者の魂を導く事よ。人を傷つけることじゃない‥‥。私は、あなたのお手伝いをしにきたの‥‥‥お手伝いさせて‥‥漆黒さん‥。」


「‥‥‥‥‥。」


漆黒は黙っている。


「‥‥すぐに信用しろとは言わない‥‥少しずつでいいから‥‥‥。」


ユリーサは、目を反らしている漆黒を、目を反らさず、じっと見つめる。



「‥‥だって‥‥。兄さんは、死神を倒しに行ったっきり帰ってこないのよ‥‥。信じられるわけがない‥‥」


漆黒の声は少し震えている。


「漆黒さん‥‥」


李依流は涙目になって、漆黒を見つめている。


シェーラは、黙って漆黒を見つめる。


「‥‥お母さんは今、人形にされて‥‥肉体はあるけど、意識は死神に奪われている。私は‥‥死神に家族をめちゃめちゃにされたのよ!!」


漆黒は珍しく大声で叫んでいる。


「‥‥だから、私と居れば‥お母さんを人形にした死神を‥見つけやすい‥。」


ユリーサは、静かに付け加える。


「‥‥死神は黙って‥‥。」


漆黒は、手を振り上げる


だが‥‥



───ガシッ。


「‥‥な、何‥‥?!」


漆黒の手を、マントの人物は、押さえていた。


「‥もういいだろ‥‥。それ以上言うな。」


漆黒の手を押さえた反動で、マントのフードが、めくれた。


「‥‥‥は‥羽黒‥?」


漆黒は、驚いて手の力が抜けた。