ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: ───あなたの恨みをはらします。 ( No.7 )
日時: 2011/01/13 18:08
名前: チロル ◆iPIAnVtKco (ID: S3B.uKn6)

3話

第一章 ———悲劇の鎮魂歌



—————数日前。


「さぁ,やってまいりました!音楽番組,ミュージックグランプリの時間がやってまいりました!まず,トップバッターは,最近,人気急上昇中の新人アイドル!花月えれかちゃんの登場でーす!!」



わぁああああああああああ!!



大歓声と共に,人気アイドル花月えれかはみんなに手を振ってデビュー曲を歌い上げる。




———収録後。



「えれかちゃん,お疲れさま!」


スタッフがえれかに,飲み物を渡す。



「ありがとうございます!!」


私の名前は,花月えれか。
今日,史上最年少でミュージックグランプリ出場を果たした,現役女子高生アイドルだ。


——————人気急上昇中・・・。



これは表向きな言い表しだ。



「花月さん。」


名前を呼びとめられて振り返ると,同じ事務所の先輩アイドルの高峰愛梨だ。

私にトップアイドルの座を奪われたとかで,一般人になりすまし,私の嘘のスキャンダルのネタを流し,掲示板で私は叩かれている。

そのせいで,仕事が減ったこともあったが最近は,世間に忘れられつつある・・・。



「可愛い歌声だったわね。あなたのその顔面にピッタリ・・・。クスクスクス・・・」


「・・・ご用がないなら,行ってもいいですか?私,あなたと違って,忙しいので。」


私は,高峰愛梨の横を通り,楽屋へ入る。



「・・・花月えれか・・・。私より少し歌がうまくて少し可愛いぐらいで,調子にのり上がって・・・ムカつく・・・」




——————————————ピリリリリリリリリ。



愛梨の携帯が鳴る。


「やばっ,仕事中はマナーモードにしておかないと・・・。」



愛梨は,携帯をひらく。



「あれ・・・?メール来てる・・・。おかしいわ,プライベート用は,親しか知らないはずなのに・・・。」



カチカチ・・・。


愛梨はメールを見る。



「——————あなたの恨みをはらしますぅ〜?!何よこれ。どうせ,チェンメに決まってるわ。」


愛梨が呟くと,すぐにまたメールが来る。


——————チェンメではありません。あなたの恨み,はらしますよ?
高峰愛梨さん。はらして,ほしかったら・・・東の森の古屋敷におこしください。


「・・・まさか。本当なの・・・?まぁ,いいわ。花月えれかを芸能界から消してやるわ。キャハハハハハハハハハハハハ!!」




高峰愛梨の笑い声は,しずまりかえる廊下に響くのだった。