ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: ——あなたの恨みをはらします。オリキャラまだまだ募集中! ( No.73 )
日時: 2011/02/02 15:38
名前: チロル ◆iPIAnVtKco (ID: S3B.uKn6)

16話


————ちゅんちゅん。


俺は,いつものように布団から起き上がる。


「うぅ・・・。寒いな。」


薄着な俺は,急いであったかいリビングへと駆け込む。
なにせ,リビングは床暖で暖かいからな。



「おはよう,冬馬。朝ごはんできてるわよ」


と言って,婆ちゃんはテーブルの上に,目玉焼きとソーセージののった,お皿を置く。



「あれ,婆ちゃん。どっかいくの?」


婆ちゃんは,やけにおしゃれな格好をしていたからである。
すると,婆ちゃんはやけに嬉しそうな顔をして言った。


「今日はね,お爺さんと一緒に,えれかちゃんの武道館ライブにいくんだよ・・・。」



と言って,バックの中からペンライトを出し,俺に向かって振ってくる。



「そ・・・そっか。」


俺は半ば,呆れながら朝食の目玉焼きとソーセージを食べた。



婆ちゃんは,爺ちゃんは俺が,朝食をとっている間に武道館へと出かけてしまう。



俺は,家を出て怜の病院へ向かう。


自転車は持ってないから,徒歩で向かう。
歩いて,10分くらいだからな・・・。



俺は,手をジーパンのポケットに入れ,ヘッドホンをつけて歩く。



—————とんとん。




肩をたたかれて,ヘッドホンをはずして振りかえる。



「あ,椿さん。」


——————


「日曜日会うなんて,珍しいね・・・。」


「そうですね・・・。」


俺は,椿さんの車いすを押して歩く。
それにしても,車いすで一人で外出するなんて,すごいな・・・。



「あ,冬馬君・・・どっか行くところだったんでしょ?!」


椿さんは,俺の顔を見てあわてている様子だ。


「あ,大丈夫ですよ。家まで送りますよ・・・最近,事故が多いですし・・・。」


椿さんの家は,怜の入院している病院に近いため,好都合なのだ。



「いつもごめんね・・・冬馬君。この足が動けば・・・」



そう言って,椿さんは自分の足を悲しそうに見つめる。



「しょうがないじゃないですか・・・。椿さんは,奇跡的にたすかったんですから・・・。」


「そうね・・・。茜が私を守ってくれたんだわ・・・」



俺たちは,そんな会話をしながら歩いて行く。
そして,姉が事故にあった交差点が見えてくる。



「あ,遠回りします?」


俺は,椿さんに聞く。



「大丈夫よ。茜は,私たちには何もしないと思うわ」



そう言って,椿さんがほほ笑む。



————俺は,車いすを交差点の方へ押していく。




この時間は,比較的車通りが少ない。



事故にあう確率は少ないだろう。



俺たちは,交差点に来て驚愕した。



——————人が倒れている?!



しかも,道路のド真ん中に・・・。



そして,倒れている人影にトラックが近づいてくる。



——————このままじゃ,危ない!!




「椿さん・・・ここで待っててください!」



俺はそう言って,急いで倒れている人影へ走っていく。