ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

光と闇の迷路 〜chiffon〜 ( No.12 )
日時: 2011/02/11 21:52
名前: さっちー★☆ (ID: MxG1iUVx)

「うっ・・・。あああぁ・・・!」

「明里さん・・・!」

スッ・・・

シフォンさんが私の背中にそっ・・・と手を当てた。

すると、痛みが少しやわらんだ。

・・・魔法みたいに。

「・・・大丈夫?ごめんなさいね・・・。ゆっくりでいいから。・・・ゆっくり・・・、思い出して。」

「・・・私・・・。」

「・・・いいわ。言わなくて。分かってるから。」

「・・・・・・。」

「・・・ねぇ明里さん。シフォンケーキ食べない?」

「え・・・。でも・・・。」

「味は保障できないけど、きっと少し心が安らぐわ。」

「・・・。じゃあ・・・、一口だけー・・・。」

カチャン・・・

「どうぞ。」

「・・・ありがとうございます・・・。」

フワッ・・・

パクッ・・・

「・・・!」

そのシフォンケーキを食べたとたん、不思議な感覚に襲われた。

目の前には薄い水色の壁紙。

そして私はふわふわなシフォンケーキの上に乗ってる。

下を見れば、私たちの町。

そのシフォンケーキは下へ下へと降りていく。

その時、私はある光景を見た。

『うそ・・・。なんで・・・?』

理恵の家が燃えている。

大きな大きな炎に包まれて・・・。

『・・・なんで・・・理恵の家が・・・!?』

・・・なん・・・で・・・。




フワッ・・・

「・・・明里さん・・・。明里さん・・・。」

はっ・・・

「・・・ここ・・・。」

「いつのまにか眠っちゃってたみたいね。・・・もう夜だから、私も寝るわ。また明日。話聞かせてね。・・・おやすみ。」

・・・話・・・?

私・・・ただ今までのこと思い出してただけなんだけど・・・。

話なんかしたっけ・・・。











コツコツ・・・

「ずいぶんと残酷なやり方ね。」

「・・・あなたには私のやり方は分からないわ。」

「ふふ。そうね。」

「・・・笑わないで。私には私のやり方がー・・・。」

「ちがう、ちがう。かわいいなっーって思って。シフォン。」

「・・・どこが?」

「そういうとこ。自分が正しいみたいなその自信満々な性格。」

「・・・悪口言われてるようにしか聞こえないんだけど?」

「そうかな?・・・じゃあね、シフォン。明日はあんまりいじめちゃダメだよ?」

「・・・。」

「・・・おやすみ。シフォン。」

「・・・おやすみ。・・・星羅。」











ジリリリリリリリ・・・

「・・・ん・・・。」

朝ね・・・。

起きなくちゃ・・・。

【あんまりいじめちゃダメだよ?】

「分かってる。でもこれが私のやり方なの・・・。」

星羅には分からないー・・・。

絶対ー・・・。



                  つづく