ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: 光と闇の迷路 〜chiffon〜 ( No.14 )
日時: 2011/02/25 21:26
名前: さっちー☆ (ID: bfLmeFkK)

 カタン・・・

「・・・おはよう、明里さん。」

「あっ、おはようございます・・・。」

「今朝ご飯作るから。そこで待ってて。」

「あっ・・・、あの・・・でも・・・。」

明里さんはなぜか私を呼び止めようしたけれど、その先は何も言わなかったので私はそのまま調理室に向かった。

ガチャ・・・

「おっ♪おはよー♪シフォン♪」

ジュウ〜

「・・・☆星羅なんで・・・。」

「ん?一緒にご飯食べようと思って♪」

「・・・。別にいいけど、来るなら来るで、ちゃんと言ってから来てよ。」

「え〜。だってシフォン全然起きないし、明里ちゃんに許可もらったから、いいかなと思って♪」

「これからは言って?」

私は、にっこぉーりと笑ってそう言った。

「ハイ。スミマセンでした。シフォンサマ。」

「分かればいいの。・・・で?何作っ・・・。」

私は一瞬声が出なくなった。

「・・・星羅・・・これ・・・。」

「ん?」

「なんで目玉焼きなんか作ってるのっ。速くおろしてっ。」

私は慌ててフライパンを火からおろそうとした。

ギュ・・・

「星羅っ・・・」

「ダメだよ。シフォン・・・。」

「っ・・・。」

ボソ・・・

「え・・・。」

くるっ・・・


・・・・・・。

『明里ちゃん、卵系大好きなんだって。』

「あ・・・、あの・・・?大丈夫ですか・・・?ごめんなさい、シフォンさんは卵系ダメなんですか・・・?私大好きなんだけどな・・・。」

「・・・いいえ。いいわ。あなたが謝ることない。私の問題だから。私はいいから先食べてね。私食欲ないみたい。・・・星羅、あとよろしく。」

「えっ・・・、シフォンっ・・・。」


・・・コツ・・・コツ・・・

「・・・・・・。」

  

『ねぇシフォン☆★卵焼き食べるっ?おいしいよっ☆』

【・・・いいの?】

『うんっ♪もちろんっ。』

【・・・・・・ありがとう・・・。】





「・・・シフォン、もうお昼だよ・・・、なにか食べないと・・・。」

「・・・大丈夫・・・。・・・食欲ないの。そっとしておいてくれない・・・?」

「そっとなんてしておけるわけないじゃんっ。シフォン・・・。あなたが迷っててどうするの・・・?」

「・・・。」

「それはシフォンに記憶思い出させちゃった私も悪いけど・・・。そのくらいのことでへこたれるなんて、そんなこと・・・。」

ボフッ☆★

私は星羅に枕を投げつけた。

「った・・・。」

くすっ

「誰がへこたれてるって?」

「シフォン・・・。」

「あそこまで言われたらさすがの私も引き下がれないでしょ?」

「・・・うん。」

「じゃあ・・・。」

コツコツ・・・

ピタッ・・・

「?」


「でも・・・、・・・ありがと。」



「うん。」


前に進まなきゃ。

そうしなくちゃ何も始まらない。

だから私は・・・、前に進む。   



                   つづく