ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

光と闇の迷路 〜chiffon〜 ( No.16 )
日時: 2011/04/30 20:54
名前: さっちー☆ (ID: bfLmeFkK)

どばばーん☆

キラ☆キラ☆キラ☆キラ☆

「す・・・ご・・・。」

私は理恵の家を目の前にして、驚かずにはいられなかった。

大きな古風のお城みたいな感じで、2階建て。

2階建てといっても、横にも大きく広がっているし、綺麗に繕ったお庭まである。

「?どうしたの?あっ。どうぞ?上がって?」

理恵は当たり前、とでも言うかのように平然としていた。

・・・さすが財閥の令嬢・・・。

「あ・・・おじゃましますっ・・・。」

そして、当然だが、家の中もすごく綺麗でキラキラ光っていてまぶしいほどだ。

「ごめんなさい、ちょっと着替えてくるわ。そこで待ってて?」

言葉もいつもよりお嬢様っぽい喋り方。

「うん・・・。」

・・・やっぱり、すごいなーっ。

コツコツ・・・

理恵の後ろ姿を見ながら、まじまじと家の中を見回した。



「おまたせ。遅くなってごめんね。」

6分後に理恵が綺麗な私服?に着替え、戻ってきた。

「すごいね・・・。ドレス・・・?」

「え・・・?ううん、私服だよ?」

すご・・・。

さすがお嬢様・・・。

・・・いいなぁ・・・。

一度でいいから着てみたい・・・。

あんなかわいい服ー・・・。

「・・・着てみる?」

「えっ。」

「いいよ。どれでも好きなの選んで着てみて。」

「え・・・でもそんなの悪いよ。」

「全然っ♪どれがいい?」

「・・・あ・・・じゃあ・・・」

カチャ・・・

「わ・・・かわいい・・・。」

お姫様みたいなピンクの服。

「あぁ、それ?私も可愛いから気に入ってるんだ♪ロリータ系だから靴はー・・・。」

「えっ、でもお気に入りなんでしょ?」

「いいの、いいの♪着て着て。ほら・・・。」

カチャン・・・

「はい♪」

「・・・あ・・・。」

「ほらっ♪着てみてよ。ぜっったい、可愛いわよ♪」

「・・・うん、じゃあちょっと着てみようかな・・・。」

「うん♪」

  






かたん・・・

「今日はありがと・・・、理恵。なんかお姫様になったみたいで楽しかった・・・。」

「うん♪良かった。じゃあまた明日。」

「うん。ほんとにありがとう。おじゃましました。」

「うん。」

「じゃあね。」

・・・てくてく・・・






・・・くす・・・

「・・・馬鹿ねー・・・。」

そのとき理恵はそう呟いていた・・・。

  



次の日・・・

「おはよう。理恵♪」

「・・・・・・。」

フイッ・・・

「・・・理恵・・・?」

あ・・・れ・・・?

私の声・・・小さかった・・・?

「あのっ、理恵!おはよう・・・!」

「・・・・・・。」

「理恵っ、どうしー・・・。」

私は理恵の手を掴もうとした。

そのときー・・・

「さわらないで!!」

パシィ・・・!

「っ・・・。痛っ・・・。」

ざわざわ・・・

「どうしたのー?理恵。」

「・・・っ・・・じつは・・・私のお気に入りの服が破れてたの・・・。」

えっ・・・?!

「それは昨日・・・明里が試着した服なの。
・・・私のお気に入りの服だからっ、大切に扱ってって言ってたのにっ・・・。ひどいよ。・・・もういい。・・・服を大事にしない人とはもう友達でいたくない・・・。見たくもないわ・・・。」

・・・ドクンッ・・・

「はやく消えて。」

スタスタ・・・

「・・・りっ・・・。」

「これでもう味方はいないね。」

「・・・え・・・?」

「明里♪」

ぞくっ・・・・

・・・それから・・・味方のいなくなった私は・・・

毎日毎日・・・いじめられるようになった・・・。

誰も助けてくれない。

誰も話してくれない。

私はもう・・・ココロが限界まで来ていたー・・・。



                  つづく