ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

光と闇の迷路 〜chiffon〜 ( No.8 )
日時: 2011/01/27 20:46
名前: さっちー★☆ (ID: 6JEcwaCG)

・・・・・・。

・・・たしか・・・あれは・・・・。


・・・ー1ヶ月前ー・・・

「おはよう!明里♪」

「うん。おはよう、理恵。」

この人は私の友達、花本 理恵。

中学3年生になった時、苗字の関係で私の後ろの席になった女の子。

髪が長くて、横で高めのポニーテールをしている。

かわいくて・・・、美人で・・・。

男子にもモテモテ。

私みたいな・・・ガリ勉で地味な女の子とは正反対の女の子。

みんな私のこと賢いね、って尊敬してくれた。

だけど影で私は悪口ばかり言われてるような女の子。

みんなそれを知ってる。

でも理恵は違った。

私が悪口を言われたとき、理恵は・・・

『やめなよ!』

ザワッ・・・

『そんあ風に影で悪口言うなんてよくないよ!明里ちゃんに謝って!!』

し・・・ん・・・

『・・・ごめん・・・。』

『うん。謝ってくれればいいよ。ねっ?明里ちゃん!』

『・・・う、うん。』


・・・理恵は花本財閥のお嬢様。

だけど、お嬢様っぽくなくて・・・とてもハキハキしてて・・・。

私の一番の友達・・・










           ・・・だと思ってたのに。

                 
 

「明里、今日あいてる?」

「・・・え?うん、あいてるよ。」

「あっ、じゃあさー・・・、明里の家、行ってもいいかな?ちょうど習い事ないし・・・。お願い。・・・いい?」

家・・・か・・・。

「あー・・・、家汚いよ?・・・それでもいいならいいけど・・・。」

「うん♪いいよ。」

「ほ・・・本当に汚いよ・・・?」

「いいよ、いいよ♪大丈夫。私明里の家一度行ってみたかったの。今度家来ていいから♪」

「・・・うん・・・、分かった。」




「・・・ここだよ・・・?」

ボロボロのアパート。

ここが私の家。

「・・・へぇ・・・。ここなんだぁ・・・。」

「ごめんね・・・、期待にそわなかったかもしれないけど・・・。」

「え?そんなことないよ?立派な家じゃない。」

・・・理恵・・・。

気・・・使わせちゃったかな・・・?

ガチャ・・・

「あ、ごめん。そこ座っていいよ。」

「・・・あれ、お母さんは?」

・・・ドクン・・・

「・・・あ、うん・・・、ちょっと・・・出かけてるみたい・・・。」

・・・バレたくない・・・。

・・・お母さんは毎日知らない男の人と遊んでる・・・なんて・・・。

・・・お父さんも・・・全然帰ってきてくれない・・・。

お父さんは・・・仕事ばっか。

・・・帰ってきた方が珍しいくらい。

・・・友達のことだって・・・悪口言われてることだって・・・誰にも相談なんてー・・・。

・・・あ・・・ちがう・・・。

一人だけー・・・。


ピンポーン♪

その時、ちょうどインターホンが鳴った。

そう・・・。それはー・・・



私が唯一相談できる・・・、幼なじみの

 工藤 風紀 だった。



                  つづく