ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: 日常的非凡。 ( No.27 )
日時: 2011/01/19 21:28
名前: 螢 ◆KsWCjhC.fU (ID: EFzw/I/i)

「その女に見覚えは?」
 轟木さんは、俺が話し終えた後に俺に聞いてきた。
「無いと思うんですけどね……」
「?どういうことじゃ?」
 俺の歯切れの悪い回答に、轟木さんが眉を顰める。
「なんか向こうは俺の事知ってるっぽいんですよねー」
「ストーカーか?」
 轟木さんがあっさりと言ってのける。
 ……ストーカー………
「いや、そんな被害にあったことないです」
 俺は轟木さんの考えに首を横に振る。
 轟木さんは腕を組んでベンチに座る。
「ふむ……」
 俺は疑問を覚える。
 何でいつも何が起こっても「我関せず」といった顔でいるのに、どうして今だけ…?
「どうしてそこまで考えてくれるんですか?」
 俺は轟木さんの顔を覗き込んで言う。
「面白いからに決まっとるじゃろうが」
 轟木さんは実にイイ笑顔で答えてくれた。
 ハハハ!マジうぜぇ。

「やはり知り合いじゃないのか?」
 轟木さんは考えるのに飽きたのか、投げやりに俺に言う。
「うーん……」
 俺の知り合いにあんな気味悪いヤツはいないんだけどなー…
 いや、情報屋とか?そういうのはいるけれども。
 寧ろ知り合いで一番怪しいのは……
「あなたなんですよねー」
 俺は小さく呟く。
 轟木さんは、気づいているのかいないのかわからないが、ベンチで胡坐をかいていた。