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Re: 日常的非凡。 ( No.38 )
日時: 2011/01/21 22:49
名前: 螢 ◆KsWCjhC.fU (ID: EFzw/I/i)

「狂ってる……」
 俺は呟く。
 氷室はナイフで己の腕を切り、滴った血を舐め取る。
「どうして俺なんだよ……ッ」
 氷室が俺の声に振り向く。
「どうして?覚えてない?」
 氷室は『氷の女王』らしからぬ笑みを浮かべ、俺に詰め寄る。
 そして、俺にナイフを投げた。
 ナイフは見事に俺の腕に突き刺さる。
「……ッ」
 俺は痛さに呻いた。

 痛い。
 死にそうだ。
 傷口からは血があふれる。

「梓クンはね♪私を救ってくれたの!覚えてないよね〜私、その時は『氷室』じゃなくて、『轟木』だったし。小学生の時なんだけど」
「小学生……?」

 小学校の時、轟木……。

 

 あ。





 知ってる。


「ゴミ虫みたいな奴らがさ〜」


 お前のこと苛めてて。


「私まだ小さかったからね」

 
 死のうとして


「屋上に行ったんだよ?そしたらさ」

「俺が、止めた……?」