ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: 日常的非凡。  完結。残すは番外編! ( No.51 )
日時: 2011/01/22 18:03
名前: 螢 ◆KsWCjhC.fU (ID: EFzw/I/i)

 後日談。



 俺達は、犠牲を払い過ぎた。
 
 血に、汚れすぎた。


 もう、いいじゃないか。



 幸せに、なろう?






「氷室」
 俺は、じっと墓の前に座る彼女に呼びかける。
 氷室は目を瞑り、手を重ねて祈りをささげる。

 彼女がいるのは、彼女が殺した男の墓。

 彼女は狂気に支配され、近くにいた男を殺した。

「ごめんね」
 氷室が申し訳なさそうに頭を垂れる。
 俺は「いいよ」と一言いって、氷室の手を掴む。


 俺達は、今、幸せだ。

 今、隣にいるのは、狂気に支配された氷室ではなくて、




 狂気を捨てた氷室。
 




「ありがと」
 俺は何となくお礼を言う。


 ———ありがとう。狂気を捨ててくれて。



 ———ありがとう。俺を愛してくれて。








「ありがとう」




 







 ハッピーエンドで、良いんだよな?