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ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: ——殺戮ゲーム ( No.4 )
- 日時: 2012/01/21 11:06
- 名前: 翡翠 (ID: QpE/G9Cv)
二人の前に突然現れた人物——アルフィオ=リース。
栗色の髪に灰色がかった水色という特徴を持つ人物だ。
もちろん、この広い学園内で三人は初対面だった。
「誰だ……?」
「貴方は誰? 間に割ってはいるなんて、どういうつもり?」
突然割って入ってきた人物に二人は警戒心を剥き出しにし、男の言葉を待った。
「俺はアルフィオ=リース……黒髪の女に用がある」
「ほう、私にか? 私は貴様のことなど知らぬのだがな」
アルフィオは短剣を構え、紅と対峙する。
それを見て、紅もアルフィオへと意識を集中する、が。
……軽く無視されたことに怒った泰譽が先制をとってクナイを持ち、アルフィオの懐へと飛び込んだ。
「なっ……!?」
それに瞬時に気づくアルフィオだったが完全にはかわしきれずお腹の辺りから一筋、紅い雫が滴っていた。
「私のことを……無視するなーーっ!」
クナイをぎゅっと握り締め、怒声というか、叫ぶようにして泰譽は言った。……驚愕するほかないアルフィオに対して。
驚愕していたのは数秒のことですぐに平静を取り戻すと言った。
「まだ、居たのか。お前に用は無いんだ……さっさと何処かへ行け」
邪魔者を弱者を見る目で言われた泰譽が切れないはずも無かった……。
「誰が、行くもんですか! それに割り込んできたのはそっちじゃない。何処かに行くならそっちが行くべきでしょ!?」
「んなっ……」
泰譽の勢いに押されるアルフィオ。
そして、その二人のやり取りを見ていた紅は呟いた。
「……これは、一つ手並み拝見といったことになりそうだな」
その呟きは二人の会話によっていとも簡単にかき消された。
「……良いだろう、そこまで言うなら、手合わせ願おうか」
「そうこなくっちゃね!」
いつの間にか二人の間には火花が飛び散っていた。
……こうして、新たな戦いの幕は落とされたのだ。
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