ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: LEVELTIER ( No.3 )
日時: 2011/01/22 23:44
名前: UL ◆CMDELf4rTk (ID: LpcnUUvD)

波の音————ここは一体何処だろう?

・・・俺は立ち上がろうとしてむせた。口の中がじゃりじゃりする。
それに、じゃっかん目も痛い。ここは一体何処だというのだろう・・・?

口の中のものを吐き出してから目をこすると、そこには白い砂浜が広がっていた。海は青く、空はまぶしかった。
側では焚き火が音を立てて燃えており、組んである木からつるされた黒い鉄の鍋の中では沢山のものが煮えていた。

「あっ!?」

背後から声がして、俺はとっさに振り返る。
そこには見覚えのある、青で統一された服を纏う人物がたっていた。

「カイス・・・?」
「レキ様・・・良かった。お怪我はありませんか?」
「“様”はなしだって言った筈だろ?」

俺———レキはそう言って、カイスのほうを指差した。
カイスはそんな俺を見て、ムッとしながらため息をつく。

「で・・・怪我は?」
「ない」
「じゃあ、うごけるんだな!?」

今度はうえから声がした。
まぶしくて見えないが、見たと同時に何かが落ちてくるのがわかる。
俺はとっさにその物体を避けた。

「・・・っ!?」

落ちてきた物体・・・薄汚れた白い仮面の少女。
独特の民族衣装をまとったその容姿からこの周辺に住む人間であるとなんとなく悟る。
はだは茶色く焼けており、仮面の横からは長いおさげが見えていた。

「・・・誰?」

レキが問うと、少女は仮面をはずした。
少女のひとみはきれいな深緑色で思わず見とれる。

「私はレガード。あなたたちは?・・・ラドゥルスの落し物さん?」
「ラドゥルスの落し物?」

レキはレガードのほうを見て問い返す。
レキの反応にカイスは慌てて答える。

「俺たちのことだよ、レキ。俺たち、空から降ってきただろう?」
「・・・・・・」

レキの反応にカイスはただため息をつくしかない。
カイスはレガードに誤ると、ここに来るに至るまでの経緯を話した。

「・・・というわけなんです」
「・・・そうか、大変だったな」

レガードはそういうと、その場に腰を下ろした。
そして茶碗をよこしながら「とりあえず飯、食え」といった。
レキとカイスは言われるままに従った。