ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: ゲームノセカイ 〜アナタハイキテノコレル?〜 ( No.2 )
- 日時: 2011/01/22 21:16
- 名前: 黒蜜チェーンソー ◆mszflcyTKY (ID: QfUSk8fE)
- 参照: 何? 文章力ない? 分かってますけどおおお!?
一章 勇者の行き先は何処に
「佐藤っ!!」
急に声をかけられ、俺は椅子から落ちそうになった。
……ふぅ、危ねぇ。……つか、一体誰なんだよ……?
誰か確かめるために、振り向いて見た。
六年生だというのに身長百三十五cm、座高六十二cmという、小さすぎる身長のせいで座っていたら、立っている平均身長の奴らの、腰までしか見えないが、目の前にいる人物は、よーく分かった。
やけに明るい声、真冬だというのに短パンで短い靴下を履いていて、元気いっぱいということをアピールしている、黄色と白の上靴の奴って……あいつしかいねぇじゃねぇか。
「……ったく、何だよ。愛海……」
俺は椅子から、思いケツを上げて立った。
愛海可憐(ナルミ カレン)。六年B組では、テストの点数順位を、ここ五ヶ月最下位を保っている馬鹿だ。しかし、運動神経は抜群に良く、得意分野のソフトボールでは、毎回愛海が打つとツーベース以上のヒットを打ったり、仲間が打つと、六年一の足の速さで駆け抜け、ホームベースに行くのだ。
スタイルだが、正直言うと抜群に良い。背は高く、どんな服でも似合いそうだ。
今日は、綺麗な栗色の髪に、ニコちゃんマークが散りばめられた、シュシュをつけている。黄色の長袖Tシャツと、オレンジ色のベストを着ている。ズボンは相変わらず、デニムの短パンで、靴下もくるぶしあたりまでしかない。
「……お前、寒くないのか」
いつも思っていたのだが、なかなか言い出せなかった言葉を、漏らした。
「ちょっと……寒い……かな」
「寒いならせめて、ズボンぐらい長ズボンにしろよ……」
「ヤダよ。このズボン、気にいってるんだから」
……愛海らしい一言である。
思わず、純粋な笑い声が零れてしまった。
「フハ……ハハハハッ」
「あ、佐藤! お前、笑ったなあ!?」
愛海は漫画でいう怒りマークが見えそうなくらいまゆを上に上げ、威嚇の体制をとった。すぐそばにあった黒板消しを手に持ち、まるでソフトボールでボールを投げるように勢い良く投げた!!
「危なっ!!」
俺はとっさに避けてかわした。
「……で、何だよ。用があって呼んだんじゃねえのか?」
真上に黒板消しが通ったときに、儚い粉雪のように落ちてきたチョークの粉を払いながら、俺は訪ねた。
「ああ、実はね。「サラマンダーの野望」の攻略法を教えてほしくってね」
*1* end