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ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: リディラテは微かに笑う。 ( No.18 )
- 日時: 2011/01/26 21:33
- 名前: とらばさみ ◆rL9ltCA.s2 (ID: cebg9jtM)
「ここどこだよ。」
「ローンプラシック、ミシェルの家。」
呆気無くクロカゲは普通に俺の質問に返答する。
今まで旅をしてきたが、『ローンプラシック』という単語は聞いた事は無い。
少し振り向いてみれば、朝日は何処に行ったのか太陽が普通にジリジリと地面を照らし続けている。
昼。
「………まだ?」
「もうすぐ、だと思う。」
初めて今クロカゲに憤慨を覚えた。
素っ気無く質問に答え歩くクロカゲの背中は妙に腹立たしい。
「…ここ、かな?」
多少歩いて着いた場所は想像と大きく離れていた。
この街の雰囲気からして、“ローンプラシック”とやらの家は遥かに場違いと感じた。
さて、皆様に少し尋ねたい事がある。
変哲も無い田舎に、大都会で聳え立つビル群が立ったら何かおかしいと感じないかね?
それと同じ、この街に似合わないローンプラシックの家は木造のクロカゲが営む武器屋とは程遠い純白と表現した方が相応しい家だった。
「……………………………………………………………………」
純白の裏に何か恐ろしい何かを俺は感じる。
果たしてクロカゲの言うローンプラシックはどういう人間なのか。
不安と緊張と恐怖が心の中で芽生えた。
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