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ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: リディラテは微かに笑う。 ( No.21 )
- 日時: 2011/01/27 18:02
- 名前: とらばさみ ◆rL9ltCA.s2 (ID: cebg9jtM)
- 参照: ダレン、大丈夫か。
目が覚めてみれば、目の前は沢山の木々で一杯だった。
地面は薄黒い茶色で、空気は湿っている。
「大丈夫かい? あ、此処クルーシ山な。」
まず視線に入ったのはライフルに弾を込めているミシェルの姿だった。
木々の中俺は少し起きた事を思い出してみる。
まずクロカゲの武器屋からミシェルの家に行き、クルーシ山へ向かった。
そして頭痛、嚥下困難が起こり俺は目の前が真っ暗になった…と。
ゴチャゴチャのタンスの様に脳内の記憶は整理されてないまま、目を覚めた事になったのだろう。
「あ、ああ…大丈夫、だ。」
返答をしようとした瞬間、激しい頭痛が俺を襲う。
突然の出来事に目が眩み、感覚麻痺が体に生じる。
だが、たったそれだけの事だった。
刹那、頭痛は何処へ飛んだのか、暖風が体に纏った。
癒しという言葉が相応しいだろう、体の異変はあっという間に取り除かれる。
何が起きた、と周りを見てみると、近くには一人の女性が立っていた。
ただでさえ禍々しい雰囲気を纏うこの山で、人間が住んでいるのか、と思考は新たな疑問を沢山生む。
「……けがしてたから、治したよ。」
何のブレも無い澄んだ声が、俺に向けて聞こえてくる。
「…見たところライカンじゃないな、あんた誰?」
ミシェルはその声の主に対して眉を顰めながら問う。
「レイチェル・リーバルトン、ただそれだけ。」
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