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ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: リディラテは微かに笑う。 ( No.23 )
- 日時: 2011/01/27 21:42
- 名前: とらばさみ ◆rL9ltCA.s2 (ID: cebg9jtM)
- 参照: ライカンうわあああああああああああああああ
冷たい風は禍々しいオーラと共に俺の頬を強く打つ。
山、というのに小鳥はおろか目立つ動植物はまったく無い。
むしろ山ではなく、木々が集中している場所に相応しかった。
「…レイチェル、ね。」
俺は自分の傷を癒した張本人の名を呟く。
特に意味があるわけでもなく、感謝の意を込めているわけでもない。
木々がざわわ、と揺れる。
「ふう…」
ミシェルは大きく疲れを吐き出すかの様にため息をした。
そして視線はレイチェルにへと移る。
状況のせいでスポットライトの当たらない俺はとりあえず逃げる準備だけはする事にした。
「なんですか?」
レイチェルがミシェルの視線を気にするかの様に問う。
ミシェルは案外怯まずに、返答を脳内で考えているのだろうか。
不穏な空気が一面に漂う。
「…何ですか、って言われてもねえ 不思議な人って思っただけよ。」
ミシェルの一言はとても重く感じる。
嫉妬では無く、敵対心でも無い、言葉に出来ない何かを纏った発言だ。
そして虚空に見えた影は鮮血を求め目を光らせた。
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