ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: リディラテは微かに笑う。 オリキャラ大募集!!! ( No.28 )
日時: 2011/01/28 20:13
名前: とらばさみ ◆rL9ltCA.s2 (ID: cebg9jtM)






その影は、三人の血を求め一心不乱に走り抜ける。
木々が揺れる中、影は姿を現した。
茶色と白色の毛に雑じれた、地獄の様な眼にむき出しの牙。
まさしく恐怖の象徴を飾るに相応しかった。

「ライカン……ッ! ライフルで殺さないと!」
ミシェルはそう焦りながら言葉を吐き出すと、ライカンの顔目掛けてライフルを構える。
俺は恐怖と焦りが脳内で混合し、得体の知れない思考を生み出す。
パニック、だった。
一方レイチェルは尻餅を付き、ライカンの姿を怯えた様な眼で、そしてその中にどこか翳りのある眼で見つめていた。
ライカンは狂乱に溺れ、口からは唾液が零れている。
正しく、この世の物とは思えない代物だ。

突然の出来事に『ローンプラシック』のミシェルも混乱している。
だがその場でライフルを構え、標準を合わせ…


「ジ・エンドだ!」
ミシェルが吐き捨てたその言葉と共にライカンの頭からは鮮血が吹き出した。
シュバッ!という乾いた音が場を支配し、ライカンの額に開いた大きな穴からは滝の様に血が流れている。

「…死んでないなら、もっと殺るんだ!」
大声でミシェルはそう叫び、再びライフルの標準をあわせライカンの額を狙う。

「う……ひい………」
レイチェルは混乱が頭を過ぎり、言葉が狂う。
そんな中俺は引き攣った顔を手で押さえ、腰の銃に視線を向けた。
ライフルはライカンへ、レイチェルは混乱へ。

そして俺は殺戮の狂気へ。

手は知らぬ間に腰の銃に触れており、体が殺戮を望んでいる事を実感してしまう。

そして銃を取り、撃った。

銃から放たれた弾丸はもの凄い速さで空を斬る。
バーン、という乾いた音はライカンの額を貫き、血は雨の様に吹き出す。

悪魔は嘲った。