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「お前は何言ってるんだ。」
「殺人犯をぶっ倒して来い。」
その言葉には正直引く。
クロカゲに殺意が沸き、今俺が殺人犯になりそうだ。
その気持ちを何とか抑制し、俺は少し落ち着く事にしよう。

ふう、と俺は軽くため息をつく。
常人の俺が唐突に『いきなり殺人犯ぶっ倒して来い』と言われたら混乱してしまう、ああきっと誰だってそうだ。
犯罪者もとい殺人犯と常人の俺は雲泥の差、強いて言うならつまようじと散弾銃だ。
勝敗は既に決まっているのに、クロカゲは何を望んでいるのか、俺は一つの疑問に耽る。

「殺人犯の名前は、ユー・ヴァリボルト・アシュハム……強面な名前だな。」
クロカゲの言葉に背筋が凍った。
いや完全にそれゲームとかの魔王的存在に至る名前でしょう、俺勇者じゃないんで、村人Xなんで参加不必要じゃないんですか！？


「…………………………………………クロ、カゲ…………」
「ん？　どうしたよ。」

その後クロカゲに襲い掛かったのは言うまでも無い。