ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: リディラテは微かに笑う。 ( No.5 )
日時: 2011/01/24 20:26
名前: とらばさみ ◆rL9ltCA.s2 (ID: cebg9jtM)

「ふうむ。」
何か納得した様な声をクロカゲは出す。
「その銃、珍しいな口径は?」

「45口径。」
「ほお、」
何かわからないが、感嘆の声を漏らすクロカゲを他所に俺はベッドを探す。

静寂、と言うか嫌な静けさが場を支配する。
やっぱり悪魔が潜む街なのか、と思い、思わず嫌な汗が体から噴き出す。

「ベッドベッド……」
「寝床なら、あっちだぞ。 てか居座る気マンマンだな。」
「野宿は嫌だからな。」

無駄な会話を終え、俺は漸くベッドを見つける。
一段落、ベッドに身を預ける。
闇夜はまるで何かの始まりを告げる様に消えてゆき、宵闇は何処へ光が出始めている。
外ではウオーンという何かの動物の雄叫びが聞こえ、朝が来た事を実感させた。

ベッドに寝ながら天井をふと見つめてみる。
木の天井にしてはシミは少なく、新築という雰囲気がする。
しかし見た目は汚れており、倉庫と感じれる。

「はあ………」と疲れを口から出す様に俺はため息をする。
横でセッセと何かの作業を続けるクロカゲに視線を移してみると、頑張ってるなの一言にしかならない。
それほど平凡な一日の始まり方だった。