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ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: リディラテは微かに笑う。 第四章始まりました!! ( No.61 )
- 日時: 2011/02/05 20:35
- 名前: とらばさみ ◆rL9ltCA.s2 (ID: cebg9jtM)
- 参照: 参照200突破…!?
番外編 - Last War - Point II
少し歩くと、やがて開けた場所に着いた。
荒廃した都市とは思えない程、破損した部分は少なく、まるで普通の街と思わせる様な場所も多かった。
しかし今の問題はそれでは無い、状況観察という任務で此処に来ている。
普通の街を見つけ喜悦に浸りたいのは山々なのだが、俺達にはちゃんと助かる綱がいつも後ろに付いてきている。
いわば喜ぶ暇など必要無いという事だ。
「こちらA部隊 開けた場所に到着、破損部所少量 応答頼む。」
俺はすかさずB部隊に無線で連絡を送る。
「了解 探索を続行せよ、ではB部隊はキャンプを作製し滞留する、グッドラック。」
その言葉と共に無線は途切れ、静けさが一層引き立つ。
だが『恐ろしい』、『怖い』なんて戯言を呟いている時間など俺達には用意されていない。
今見えるのは絶望でも希望でも無く不自然に用意されたレールなのだ。
そのレールを喜んで踏むのなら、俺達には不自然な安堵が迎えてくれるだろう。
だがそれだけだ、たったそれだけのために俺は此処に居る。
政府の目を掻い潜り、何か俺達に出来る事をしてやろうじゃないか。
「……それにしても静かだな、不自然すぎる。」
隊員の一人が呟いた。
そういわれると、この不自然な静けさは明らかに創られた物と疑う。
しかしそんな事を訝しげに結論を求めている場合ではない、あくまでも今回の主目的は『状況を伝える事』だ。
そして静けさの中から飛び出してきたのは、喧騒を作り出す化物だった。
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