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Re: リディラテは微かに笑う。 第四章始まりました!! ( No.62 )
日時: 2011/02/05 22:25
名前: とらばさみ ◆rL9ltCA.s2 (ID: cebg9jtM)
参照: 参照200突破…!?

番外編        - Last War -    Point III



その化物は、顔面の皮は火傷を受けたかの様に酷く剥がれており、茶色い肉が露わになっている。
腕も顔と同じ茶色で、まるで腐った肉の様な色をしている。
まるでゾンビ、映画のゾンビの様な体をした化物だった。

「ひ、怯むなァ! お、応戦し……うわあぁぁぁぁぁぁぁぁっ……!!」
右で銃を構えていた一人の隊員は化物に押し倒され、見るにも無残に体を食い荒らされてゆく。
隊員は驚愕のあまり銃の引き金を引けないのか、銃声すら鳴らずに悲鳴が響く。
時間と共に周りの隊員は次々と血を流し地面の倒れて行き、残る隊員は俺も合わせて三人となる。
そして化物の数は四匹。

「……チッ。」
俺は小さく舌打ちすると、腰のマグナムを段々と近づいてくる化物に撃ち出した。
近い距離だったが、化物は少し怯んだだけで、死んではいないのを確認するとマグナムを次々と撃つ。
次第にマグナムの弾が切れ、化物は何度も目に直撃したマグナムの弾丸を手で必死に取ろうとする無様な光景が視線に入る。


「…………邪魔だあああッ!」
俺はけたたましい声を上げると、序々に近づいてくる化物に拳を振るう。
ベキッ、という鈍い音と共に化物は遥か遠くに吹っ飛ぶ。
だが次の化物がすぐこちらに近づいてくる。
二人の隊員は腰をぬかし、銃を撃てない状況。
そして二匹の化物がこちらに近づいてくる。
絶体絶命に相応しいシチュエーションだった。