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ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: リディラテは微かに笑う。 ( No.8 )
- 日時: 2011/01/24 21:38
- 名前: とらばさみ ◆rL9ltCA.s2 (ID: cebg9jtM)
- 参照: コメディな回
朝日が物静かな街に光を渡すと、一面には幻想的な光景が目に入った。
「やはり健康的に朝は外に出るのが一番だなあ……」
俺はとても健康ですとアピールするかの様にそう背伸びしながら呟く。
武器屋の中とは裏腹に、外はとても暑かった。
武器屋は、想像以上に涼しくて、夜の草むらの様な感じがする。
まあそんな事は今回置いておこうか。
朝日は目を襲う様にキラキラと地面を照らし、鶏がコケコッコーと鳴くのがベスト、と自分で勝手にシチュエーションを想像する。
「おーいクロカゲ、外に出てみろよ」
家の中に篭りっきりで、まるで篭城犯だ。
一体何をしているのか、と返答を待つついでに家の中を覗いてみる。
クロカゲの姿は無く、虚しく家の中は静かだ。
「どこにいったんだか……」
「何か言ったか」
後ろからクロカゲの声と似たトーンのボイスが聞こえてきた。
予想外の出来事に俺は腰を抜かし、前にすっ転ぶ。
ドテン、と情けない音と共に俺はクロカゲに家へと強制送還された。
「…こ、これ朝飯?」
「ああ、そうだけど。」
クロカゲは俺を木の椅子に座らせ、目の前に設けられた木の机の上に目を疑う程豪華な料理を置く。
生きてて良かった—と思い、俺は口から唾液が零れ飢餓状態の様に腹が減り始める。
ステーキ、紅茶、スープ、今まで旅をしてきてこんな美味い食事なんて信じられない。
「…食べて良いか?」
俺は当たり前の様にクロカゲの顔を睨み自分の餓えを露呈させる。
「…うむ。」
クロカゲの承諾と共に俺は朝食を食べる。
ムシャムシャという擬音では無く、グシャグシャという擬音が似合う様な食事方法で俺は朝を過ごす。
その後食べすぎと怒られたのは言うまでも無い。
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