ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: リディラテは微かに笑う 番外編Up!! ( No.80 )
日時: 2011/02/10 19:35
名前: とらばさみ ◆rL9ltCA.s2 (ID: cebg9jtM)



第六章 「フロンティアとエージェント」

男は俺の言葉にニヤリと笑みを浮かべた。
周りの冷たい空気とその笑みを見た事によって俺の中で新たな恐怖が芽生える。
だがそんな事はどうでもいい、むしろ関係のない事だ。
あの“女”を取り戻さないと、俺の気持ちが納まらない。
たったそれだけの事で命を賭けるなんて俺はつくづく馬鹿な男だと思う。

「……随分と滑稽な事を言ってくれるね、先に言っておこうか… 僕の能力は」
男、いやホワイトはそう言うと、姿が虚空に消えた。
そうして背中に感触を感じた 一瞬の出来事であった。

「瞬間移動 これが僕の能力 どう?」
ホワイトは自慢げに能力の名前を持ち出すと能力の説明を行う。
知らぬ間に背中に居たホワイトは右腕で俺の首を押さえ横目で見えただけだが左腕にはあろう事か反り返った刃のナイフが握られている。
冷や汗が頬を垂れ、緊張と恐怖が入り混じる。

「僕の瞬間移動はとても常軌を逸していてね、触れたものも移動させられるし、自分自身を思った所に動かせる。
 だがそれだけは一般の能力とさほど変わらない。
 しかし僕の能力は、触った所をえぐり抜き移動させる事が出来るんだよ。
 だがそれだけじゃ何も意味を成さない、だから君の肩を“僕の”足元に移動させても良いんだよ?」
恐ろしい事を訊いた。
嗚呼、とっても大変だ。