ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 馬鹿者達へ、 ( No.2 )
- 日時: 2011/01/22 20:37
- 名前: 螢 ◆KsWCjhC.fU (ID: EFzw/I/i)
初めまして!螢と申します^^
題名に惹かれてやってきました。
凄く続きが気になります!
更新、頑張ってください^^ノシ
- Re: 馬鹿者達へ、 ( No.3 )
- 日時: 2011/01/22 20:52
- 名前: 明日 (ID: .8sHsKzk)
——まだ頭がクラクラする。
ぼんやりとする視界の中、私は目覚めた。
ずっとコンクリートの上で寝かされていたためか、体が冷たい。
段々視界がくっきりしてきた。
立ち上がり、辺りを改めて見渡してみる。ここはどこかの部屋みたいだ。
部屋自体は至ってシンプル。とくに何もない、ただコンクリートで囲まれているだけ。
ただ、一つだけどこかへ続くドアがあった。私にはそれがとても不気味に思えて、開けようとも思えなかった。
「……ん……」
足元から聞こえる呻き声。驚いて、足元を見てみるとそこにはフジが寝ていた。
「……あれ……?」
まだ寝ぼけているらしい。意味も分からない言葉をぶつぶる呟いていている。
……ていうか。
「なんでフジがここに……?」
「私もいるからね。ナツ」
聞きなれた声がして、後ろを振り向くと愛華と玲が並んで立っていた。
あまりにも話が急すぎて、ついていけない。これは、どういうこと?
混乱している私を見据えてか、愛華は大きく息を吐いた。
「私も気づいたらここにいた。玲も同じみたい」
「わ、私達はなんでこんなところに——」
「……分からない。あの遊びをやったから、じゃない」
ごくりと、唾を飲み込んだ。
愛華はゆっくりと、まだ寝ているフジに近づき、
「さっさと起きろ、馬鹿!」
一発頭を叩いた。いい音が鳴り響く。
フジはまるで地震がきたときのように飛び起きた。
「はははははい! ただいま起きました!!」
「声でかい、馬鹿」
「……すいませんでした」
結構まずい状況のはずなのに、二人はいつも通り。
それを見て、ちょっと心が安心したっていうか、なんていうか。
玲と目が合って、二人で小さく笑った。
その時、部屋に一つだけあったドアが静かに少し開く。
ぞくり、と嫌な寒気が背筋を駆け抜ける。まるで、「早く来い」って言っているみたいだ。
「行こうよ」
玲が既にドアノブに手をかけていた。
本当は行きたくなんかないけど、私達が元の場所に帰るためには行くしかない。
四人で覚悟を決めて、ゆっくりと、ドアを開ける。
そこは廊下に続いていて、廊下の先にもまたドアが見える。どうやら、その先に私達が知りたいことがあるようだ。
- Re: 馬鹿者達へ、 ( No.4 )
- 日時: 2011/01/22 20:56
- 名前: 明日 (ID: .8sHsKzk)
>蛍さん
おおおおお初コメ!!
めっちゃ嬉しいです←←
頑張ります! ありがとうざいました!!
- Re: 馬鹿者達へ、 ( No.5 )
- 日時: 2011/01/22 21:03
- 名前: 螢 ◆KsWCjhC.fU (ID: EFzw/I/i)
誘拐されちゃいましたか!?
きゃあああああ!!((
助けに行かねば!
>>04
私なんかでよければちょくちょく顔出しに来ます!
はい、頑張って下さい^^
- Re: 馬鹿者達へ、 ( No.6 )
- 日時: 2011/01/22 21:54
- 名前: 明日 (ID: .8sHsKzk)
【——自分の欲のために間違えた選択肢をしてしまった馬鹿者達へ】
ドアを開けると、そこは前の部屋よりもっと広い空間だった。
私達以外の人がいる。突然の訪問者にその人達の視線が一斉に私達へと向けられるがそれも一瞬で、視線はすぐに違う方向へと向けられる。
その先はテレビ台に乗せられた一台のテレビだった。
テレビに写っているのは、アナログによくある砂嵐。
変声期でもつかっていうのだろうか、どこか機械のかかった声が聞こえてくる。
雰囲気に圧倒され自然と私達もテレビの方を見てしまう。
【お前達は選択肢を間違えた。本来選んではいけない選択肢を選んでしまった。よって、お前達は罰を受けなければならない】
【あぁ、なんて可哀想。私は大いに同情する。そして失望する。なんてお前達は馬鹿なのだろう。所詮人間は馬鹿なのだ。無論、私も馬鹿だ】
【しかしお前達はその中でも群を抜いている。世の中の人間共が馬鹿ならば、お前達は大馬鹿だ。救われようもない馬鹿だ。お前達はもう助からない。そんな馬鹿たちにチャンスを与えてやろう】
何を言っているのか理解できなかった。
突然馬鹿だと知らない奴に罵られ、意味も分からない事を語られる。怒る暇もなく、ただ唖然とした。
【この中から二人殺せ。二人殺せば残った奴らは助かる。しかし、今から四十八時間以内に殺さなかった場合は全員死ぬ】
……え?
もう一回言って欲しい。上手く、聞き取れなかった。
「どういう意味だよ、おいッッ!!」
一人の男の人がテレビを乱暴に掴む。
しかし、話は男を無視して進まれていく。
【ということで】
ブチッとテレビの回線が切れた。
男は舌打ちをして、テレビ台を強く蹴る。相当いらついているようで、そんな男の雰囲気に周りの空気も悪くなっていく。
「……で、お前らはなんなんだよ」
その男に強く睨みつけられ、何もいえなくなる。
フジなんか、震えてる。
「やめなよ、要(かなめ)。そんな睨みつけたら怖がっちゃうよ」
「……郁美(いくみ)……」
奥から出てきた綺麗なお姉さん。こんな状況でも優しく笑えるこの人がすごいと思った。
そんなお姉さんに熱も冷めたのか、男も落ち着き始めた。
「ごめんね。いきなり……。私は郁美」
「で、俺が要だ。宜しく」
まだ不機嫌そうだが、それはただ単に目つきが悪いだけみたいだ。……関係ないけど、二人は付き合っているのだろうか。
私達四人も順番に自己紹介をしようとしたとき気づいた。奥の方にも人がいる。
「あの、奥にいる方は……」
「あー、あいつらか。おい! お前らもこっち来いよ!」
要さんが呼ぶ。どうやら知り合いみたいだ。
やってきた二人はどちらも男だった。一人はメガネをかけていかにもクール。一人は大人しそうだった。
「ほら、自己紹介しろよ」
トン、とメガネさんの背中を軽く叩く要さん。
しかし、メガネさんはそれを払いのける。
「くだらない。これから殺しあう奴らと仲良くできるか」
冷たい視線を私達に向けて、奥に行ってしまった。
「……なんなんだあいつ……。ごめん。普段はそういう奴じゃねぇんだけど。真一(しんいち)っていうんだ」
じゃ、次と要さんは二人目の背中を押す。
「俺は、潤(じゅん)」
こちらも、挨拶だけしてどこか行ってしまった。
……こんな状況だ、誰が狂ってもおかしくない。
私がこんな冷静がいられるのはまだ実感していないからだと思う。
昔から、緊張とか本番直前にするタイプだし、夏休みの宿題も最後にまとめてやるし。
皆はやっぱり平気じゃいられないみたいで。
小刻みに体が震えている。……あれ、私も震えてる?
「……とりあえず、どうしようか」
要さんの声が広い部屋に響き渡った。