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“北に緑の勾玉あり　緑の奥の岩上にて
西に蒼い宝玉あり　深海洞窟奥にて
東に希望の光あり　灼熱火山の噴火口にて
南西黄金の輝き　南東恵みの物
最も高き上　最も地下深く
五つの光　一つにならんとするとき
すべての力がやどりけり”

工場長が書いてくれたのはこの歌詞だ。
確かにレンブラントとは違う。

「クリス、そんな馬鹿でかい事するつもりなんだぁ…知らなかった！」
もともと話す気なんてさらさら無かったし。
なんていったら殴られるな。
…さて、と。最も高き上…か。この辺りで一番高い建物は、

「ゴールデンヒルズビルだよ！」


超能力も使えてしまうらしい、人の脳内を読んだエリアルはそう言った。


「地理得意だから任せて！御曹司探しのついでにその…なんだっけ、光？
を見つけるの、手伝ってあげる」


こう言うと、さっきとは逆に意外と馬鹿で無かったエリアルのほうがずんずんと歩いていく。

なんでそんな行動的なんだ、さっきとは大違い。



「おんぞーし、おんぞーし♪」



…嗚呼、そういうことか。妙に感心してしまった。

ホント、コイツの生きる気力はこれだけなのだろうか…。



そうこう考えているうちにゴールデンヒルズビルに着いた。


「高き上って…ナニがいんだろ」
正面を入ってすぐのところにエレベーターがあり、そこに乗り込む。

指は迷わず最上階である50階を押す。
『ドアが閉まります』
というアナウンスの変に間抜けな声を聞きながら閉まるドアを見つめた。