ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: 五つの光、クリスティン。 イメソン募集 ( No.20 )
日時: 2011/01/29 15:28
名前: 楓 ◆nxYfjsTN/c (ID: 3lmdTyLL)

‐50階‐

エレベーターが50階に着いた。そこから階段で屋上に向かう。
エリアルはなぜかわくわくとした目で階段の上のほうを見ていた。

おそらく、今から起こるであろう事に期待がいっぱいなのだ。

…たぶん。


「うっわー、高いっ!!」
やけに甲高い声をエリアルがあげる。回りのビルが小さく見え、高いのは認める。

しかし、『光』がある気配がしないのだ。
と言っても俺が気配を感じるわけではない。長老から授かったあの剣の光が強くなっていないのだ。
長老の話では『光』が近くなると剣から発する光が強くなるらしいのだが…。

1時間、2時間と時は一刻に過ぎてゆく。そこで俺は大切なことに気がついた。

それは、あの歌がいつにできたものなのか、という素朴な疑問から始まった。建物の様子からみて、
ゴールデンヒルズビルはいくら大きく見積もっても5年ほど前に建てられたように見える。

ということは、だ。

あの歌が作られた当時は此処は存在していなかったはずである。



…此処じゃ、ない!!

「エリアル、うんと昔の地理とかわかるか?」

きょとんとしたエリアルは答える。
「うん、分かるよ?」


よし、助かった!


「昔からこの辺りで高かった物ってなんだ?」

そう聞くとエリアルは、んー、と顎の辺りに人差し指を置き上を向いて考え出した。

そして3分後。


「それだと、はずれにある金の木‐ゴールドツリー‐じゃないかな?金木犀の木だけど、とっても大きいって有名だよ?」


——そこだっ!!


階段を駆け下りるとエレベーターに飛び乗る!一気に1回まで降りると金の木に向かって走り出す!
金の木に近づくとともに剣の光が増す。

ビンゴ!


*                            *                           *


周りに何もない、風の音だけが聞こえる丘についた。光はかなり強いものになっていた。


ガサガサ…
風の音が次第に大きくなる。

———来たっ!
空を見上げるとそこには。
黄色の大きなそれは大きな鳥が飛んできた。


首には黄金の輝きが放たれる岩のように大きな
『光』がかかっていた————