ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: 五つの光、クリスティン。 イメソン募集 ( No.25 )
日時: 2011/01/31 17:52
名前: 楓 ◆nxYfjsTN/c (ID: 3lmdTyLL)
参照: http://loda.jp/kakiko/?id

ダッ
駆け出す俺は工業地帯に向かった。
それに金雀が続く。エリアルには此処に残るように叫んだ。

金雀は
「逃ゲルノカ?」
なんてほざく。

まさかそんなことするわけねぇだろ。
とか思いながらいながら製鉄の工場に入る。

金雀が立ち止まってしまった。扉は大きいから入れないことはないはずだ。

…ビンゴ!

「誰が逃げるって?お前だって逃げてるだろ」
ふふんと鼻で笑うと金雀は大きく硬い羽をバサバサと羽ばたかせて怒った。

「ナンダト!!?」

——乗ってきた…!

金雀は工場に飛び込んできた。そのときを見計らってあらかじめ窯に入れておいた剣を振るう。

ズシャァァッ

真ん中で金雀をぶった切る。金色の粉末が飛び散る。

「ナ…ニ!!?」
「さっき気がついたんだよ。何かの書物で読んだ、金は火で溶けるってのをさ。
お前のその体も金属でできてんだろ?だから熱く熱した剣で切ったってわけ」

得意そうな顔で金雀にこう言った。

「さて、これも貰うとするか」

動けなくなった金雀に近寄り、首元に光っていた『光』を奪いとる。

ずしり、と重く少し暖かい感じがした。
こちらを睨んだままの金雀をじっと見て
「じゃ、楽になりなよ」
と言った。

剣を振り上げてもう一回。切ると金雀は小さな分子のように分解されて剣の先から入っていった。

周りにはものすごい風が吹き荒れた。ゴオオオオッという風に俺も吹き飛びそうだった。

入りきったあと剣が黄色に軽く光った後普通の色に戻った。

「クリス!」

エリアルが駆けてくる。
「ねぇ、金雀は…っ?」

よっぽど一生懸命走ってきたのだろう、息が切れていた。
「嗚呼、倒したよ」

「本当に!!?…」


最後に沈黙が入ったのは気のせいだろうか。


…これか。異様な輝きを放っていた『黄金の輝き』を見つめていたのだ。

かなりキラキラした目で言われた。

「それ頂だ「駄目だ」
遮るとエリアルは膨れた。

「なによーぅ、それ売ったらかなりの価値になるわよ!?」

「馬鹿か、これ売ったらその時点でお前を切り捨てる」
「ひどっ!」

そう話をしながら街をでる。夕日がキラキラと光っていた。兎に角『黄金の輝き』を手に入れることができた。

一歩、一歩近づいたのだ。顔には出さないが俺は喜びでいっぱいだった。


「成る程、やはり『五つの光』は存在していたのか。ボスに伝えなければ」
だから後ろで俺達を監視しているものがいるなんて知る由もなかったんだ。




2章■ゴールドミレ-金の国- 完