ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: 五つの光、クリスティン。 イメソン募集 ( No.26 )
日時: 2011/01/31 18:21
名前: 楓 ◆nxYfjsTN/c (ID: 3lmdTyLL)
参照: http://loda.jp/kakiko/?id

3章■ファム‐土の国‐


ゴールドミレを出発したのは夕暮れだった。出発したのはいいが五月蝿い奴がいる。

「だーれも御曹司引っ掛けられなかったぁっ!どうしてくれんのよぉっ!」

語尾を少し長くしてエリアルは言った。俺の首なんかを掴んでゆさゆさやってくるのだ。

「ヤメロ、脳震盪が起きるだろ」
それに俺がお前の結婚まで面倒見る筋合いはねぇ、と後に付け加え地図を開く。


「五月蝿い五月蝿いうるさぁぁぁぁい!」

俺のみぞおちにパンチを入れてきやがった。クリーンヒット。


「ぐはっ!!?何しやがる!」
俺がキレるとそっぽを向いて知らない振りをした。

「で、次はどこに行くの?」
なんて聞いても来た。しばらくエリアルをじとっと見ていたが「なぁに?私に気があるの?」
とかなんとかほざきだしたので無視した。
まったく腹の立つ女である。

「そうだな…一応マースギアスにちょっと寄ってみたいんだ」
「…最後の難関なんでしょ?なんでわざわざ」

———マースギアス
そこは昔から戦いの街である。熱い戦いが中央広場でいつも繰り広げられていた。
ここは戦いの火の気も上がりやすく、物騒な街でもあった。

そう。この危険なマースギアスにわざわざ行くのには理由があった。

「仲間が欲しい。何も聞かず戦ってくれるだけの強い奴。今回はたまたま上手く行ったけど、
今度がそうだとは限らないんだ」

そういうとエリアルは
「そうだね!イケメンがいいなぁ…なるべく」
と言い出した。よかった。嫌だとか言われたら変に面倒だ。

「じゃあじゃあ、何キロか短縮しようよ!」


っ!!?


ぎゅ、と手を握られたのだ。
「なっ…」
「捕まっててね!」


そういいにこりと笑うとエリアルは西を向き目を瞑った。
キラキラキラキラと周りが虹色に囲まれる。


「どこまで飛べるかわかんないけどっ」



びゅんっ
耳の鼓膜がきーん、とした。