ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: 五つの光、クリスティン。 参照100突破ぁぁ!? ( No.36 )
日時: 2011/02/05 16:05
名前: 楓 ◆nxYfjsTN/c (ID: 3lmdTyLL)
参照: インフルには気をつけまsy(げほげほ ←かかったやつ

気がつくと俺の体はマースギアスのすぐ近くにあった。
さっきまでゴールドミレの出たところににいたのに。

…そうだエリアル、あいつの能力みたいなもので…っ
がばっと起き上がる。

「あ、目、覚めた?」

何事もなかったかのようにエリアルは上機嫌だ。


「ああ…。っつかお前何もんなんだよ!?」
「ん?ああ、私?能 力 者 ★?」

…なんだ、ただの能力者か。ただの
「ハァッ!?能力者だと!?」

驚きすぎて柄にもなく大きな声で叫んでしまった。エリアルも俺が叫ぶとは思っていなかったらしく相当吃驚していた。

「そんな驚くことないでしょ?ただの瞬間移動の能力者。さっさとマースギアス行こう?」

逸らされた。そんな感覚を少なからず抱いた。まぁ戦力になることも分かったし、それでいいか。

* * *

何はともあれ意外な戦力のお陰で予定よりも早くマースギアスについたわけだが。


——治安が悪すぎやしないか。そこら中に目つきの悪い連中が転がっており、肩がぶつかろうものなら
ドラマのように突っかかられる。兎角面倒だ。

「…なんかヤな感じがするね」

エリアルも空気を読んだ(いや読めたのほうが妥当かもしれない)ようでびくびくしていた。
「ボウズ、こんなとこまでお使いでちゅかぁ〜?」
「ぎゃははは」
下品な笑い声などで話しかけられもしたが、こんな奴ら相手にしている暇もなく、全て無視していった。

マースギアスは殆どが路地裏のようなところでギャングやらヤクザやらが沢山いたのだが
なんせ柄が悪ければ人も悪く、いい人なんていないのだ。低い、男の声だけが町中に響いている。

「なかなかいい人いねぇなぁ…」

半日歩き回ってみたが特に仲間に相応しい人はいなかった。
「一日で見つかったら苦労しないよ?」
とエリアルにも励まされた。


と、その時——!
「お譲ちゃん、俺と遊ぼうぜぇ?」
エリアルの腕を掴んだ大男がいた。

「すみません、間に合ってるんで」
冷静に対応しているようだが、エリアルの顔は引きつって見えた。

「いいじゃねぇか」
「ちょ、ホントにはなしてください」

——っ!
俺は一発、その男を殴るとエリアルの腕を掴んで走った。
男は追いかけてきた。俺達とは違い、相手は此処になれている人間だ。

どんどん、路地の奥へ追い詰められていく。

エリアルの瞬間移動も昼の移動で使い果たしてしまったようでもう使えないようだ。


!?
追い込まれた。行き場がない。
大男はずんずんと近寄ってくる。大声で叫ぼうにもここは治安が悪く
警察なんていないも同然だ。

もう——

「ほほう、このようなところで弱き者に力ずくで…とな?感心せぬなぁ…」

そのとき、赤い野生的な髪が目に映った。