PR
ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 五つの光、クリスティン ( No.4 )
- 日時: 2011/01/22 20:55
- 名前: 楓 ◆nxYfjsTN/c (ID: 3lmdTyLL)
クリスティンは夕食をそそくさと終わらせると、ディヴィーの家に向かった。
こんこん、ドアをノックし家に入る。
そこには昼間よりも神妙な顔つきをした、ディヴィーの姿があった。
「俺に…どうすればいいか教えてくれ」
息を整えたクリスティンもつぶやくようにしかしはっきりと言葉を口にした。
「まあ、座れ」
少し微笑むとよほど話が長くなるのか、ディヴィーはクリスティンに座るよう促した。
クリスティンもそれを察したのか座る。
……しばらくの沈黙が流れた。
「…昼の歌、何を意味するか分かるか」
先にその沈黙を破ったのはディヴィーのほうであった。
「いや。…ただ、家で調べてみると、五つの国と関係してあるように思った」
ディヴィーはうなずくと、地図を広げこう語りだした。
「わし等の村はここレンブラントの国にある。
そしてここから
北にはグリーンウェルが、
西にはウォータールージュ、
東にはマースギアス、
南東にはゴールドミレ、
南西にはファムがある。
これが、あの歌に関係しているのだ。
これらの国のどこかに、五つの光、まあ何かの固体が存在しているそうだ」
ごくり、とクリスティンがのどを鳴らすのが聞こえた。
この国のこんなところに、凄いものがあったなんてクリスティンは知らなかったのだ。
「で、これを探せば、マナは生き返るんだな?」
それだけ確認すると、すくっと立ち上がり出て行こうとした。
しかしディヴィーが止める。
「よく歌の内容を考えろ、クリスよ。強し者が守っているのだ。
お前一人で行けるとでも思うのか」
そうだ。
全ての光のもとには竜だとか、虎だとか、強い魔物が守っているのだ。
そう容易に行けるものでもない。
「何か、案でもあるのか」
期待していた言葉なのか、ディヴィーはふむ、と頷くと奥に入っていった。
PR