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Re: 五つの光、クリスティン ( No.5 )
日時: 2011/01/23 12:25
名前: 楓 ◆nxYfjsTN/c (ID: 3lmdTyLL)

奥で物置を探る音が聞こえる。
1,2分たって出てきたディヴィーの手には大きな剣が握られていた。


その剣は光沢のある白銀の本体に緑の持ち手のついた至ってシンプルなものだった。


変わっていることといえば、その剣の周りに5色の光が交互に渦巻いていることだろうか。




「これは、わし等の村の長老が代々受け継いできた剣だ。

普段は5色の光など出てはこないのだが…


5つの光に関係しているらしい。もしかしたら『時』が来たのかもしれんの」



静かにこういったディヴィーはそれをクリスティンに渡した。ずしり、と重さが腕に加わった。

「お前に授けるとしよう。わしが前の長老に聞いた話によると、これで倒した魔物は
召還できるようになるらしい。もしかすると、これで強し者を倒せるかも知れん」
ふっ、と息を吐くとディヴィーはクリスティンの手を握った。

「険しい道がお前を待っていると思うが、決して、決して諦めるでないぞ」


「そんなの、俺が諦めるわけないじゃねぇか」




————即答だった。



クリスティンにすればそんな道、不足なしだった。
たった一人の妹、マナを助けることさえできれば、それでよかったのだ。



クリスティンが出発したのは翌朝のまだ太陽が顔を出していないときだった。




1章■初めと始まり 完