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ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 【参照】五つの光、クリスティン。 【400だとぅっ!?】 ( No.73 )
- 日時: 2011/03/29 08:13
- 名前: 楓 ◆nxYfjsTN/c (ID: 3lmdTyLL)
「うぅ〜ホントに、行っちゃうんですかぁ〜?」
関所に向かう道でリリバに泣かれてしまった。
めそめそと泣くリリバに向かってエリアルが手をとり、言う。
「大丈夫!大地主を見つけたら連絡して!すぐ飛んでくるから会えるよっ」
…コイツさらりとまた欲望を口にしやがった。
そう思った俺だったが、今回ばかりは勘弁してやろう。
「それにしても、強き相手であった。拙者ももっと精進せねばな」
フィアンマは刀を振り下ろすふりをして、フォームを確認中。
白蛇に歯が立たなかったのがよほど悔しかったらしい。
ほのぼのとした空気と、空に浮かぶもこもことした綿のような雲にいいなぁ、という
柄にもない考えを持ってしまう。
「じゃ、此処で。さんきゅ、な。リリバ」
握手を求め、きつく、硬く手を握った後、手を振る。
関所をでる時、本当にリリバが泣いているのが見えた。
「クリス、きっと会えるよね、また」
エリアルも一粒涙を流していたようにも見える。
俺とフィアンマは少し傷心したが、旅には別れもつき物だ。
「次、行くぞ。ほら」
少し冷たいようにも感じただろうか。俺には優しい言葉をかけることができるような
キャラではない。
これが上限だ。
「…うん」
茶色い『光』はずしり、と心なしか重みを増し、牛が大きな声で1つ鳴いた。
——2つ目。
* * *
「ボス、やはり、五つの光は確かに存在するようです」
片足をひざまずき、暗い部屋で男ははっきりと言葉を発する。
「…そう。じゃあ、集めないとネ」
にやり、と口元が笑うのが見えた。
3章■ファム‐土の国‐ 完
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