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Re: 【参照】五つの光、クリスティン。 【400だとぅっ!?】 ( No.77 )
日時: 2011/04/28 18:07
名前: 楓 ◆nxYfjsTN/c (ID: 3lmdTyLL)

4章■ウォータールージュ‐水の国‐



ファムを出発したのが、太陽が昇るころで、それから4回太陽を見たから…。
出発して4日たったことになる。


エリアルの能力を使っても良かったのだが、もしものために能力を取っておくことにしたのだ。

兎に角、能力は不安定なようでいつ使えていつ使えないのかが分からないというのも理由の1つになる。


土っぽい風景は2日目に消え、だんだんと水の音が聞こえてきた。今は潮風が頬に当たる。

磯の香りが鼻をツンとつき、【夏】を感じさせている。


次に俺達が向かっているウォータールージュは、一年中夏。
特別南にあるわけでも、赤道(のようなもの)に近いわけでもないのだが、
暖かい海とその上を通る風のせいもあって蒸し暑い。
じりじりと太陽が照りつけるこの暑い国では少し薄い色の織物が発達し、皆が薄着だ。


「あっ、関所だよ〜っ!今度はお金持ちの商人探し、頑張るぞぉ〜っ」
関所が見えたとたん、うだるような暑さに溶けそうになっていたエリアルは大声で叫んだ。

…はぁ、またか。しかし何でコイツはこんなに元気なんだ?

苦笑に近い笑いを2人、俺とフィアンマでこぼしながらも、関所に入る。

手続きを済まし、通り過ぎるとそこには港町が広がっていた。

船が波止場につき、人が荷物を出したり入れたりしている。空にはかもめが飛んでいて、
人間達が魚介類を捨てるころを意外に怖い目で見ていたりした。

「まずは、どうするでござるか?」

とフィアンマは俺に聞き、長い髪を暑そうに払いのけた。
少しくしゃくしゃになった紙を俺は取り出し、指で目的の文字を指差す。

「そうだな…、ここの『光』についてわかってることは、ゴールドミレで聞いた、『深海洞窟奥にて』ってことだけだ。ただ、
深海ってことは海の底だろ?そこまでいけるような方法を考えなければなんない」

「確かに素潜りでは限界があるでござるな」


ふむ、と考えながらフィアンマは歩いており、時折石に躓いていた。



その時——


「やめろっ!お前ら何もんだっ!!」