ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 【参照】五つの光、クリスティン。 【500だとぅっ!?】 ( No.78 )
- 日時: 2011/04/29 12:17
- 名前: 楓 ◆nxYfjsTN/c (ID: 3lmdTyLL)
向こうから女の子の声がする。港の中でも特に海賊船のようなものが集まっている、そんな怪しいところに一人の少女らしき人影と、一人の少年が見えた。
これは関わらないほうがいいな。くるりと方向転換した俺達の中に一人、方向転換していない奴がいた。
「アンタ達〜っ!何やってんのよっ!!」
「あっこら、馬鹿!」
エリアルは俺が止める前にそちらに向かって走っていく。俺とフィアンマは必死に追いかけるのだが、
追いつかない。
「あ゛!?」
そこには想像通り、というかお決まりの、柄の悪い兄ちゃん達がいた——
みんな顔やらうでやらに傷があり、かかわってはいけないことを物語っている。
ただ……もうヤケクソだ!
「悪いけど、俺らのツレなんだわ」
一回り身体をぐんと大きくみせようと腰に手を置いた。
これ…動物の本能らしいな、なんて心の中で笑ってみる。
「んだとぉ?ハハハ馬鹿なおこちゃまは道理というものを知らんな」
ボスのようなものが笑い、周りは下品な笑い声に包まれた。
「まぁ、そう思うなら今のうちだ」
俺の合図でフィアンマは剣を抜く。すると今まで黙っていた天パの少年のほうがガンを取り出した。
そして。
「ボクに向かって、乱暴な真似をするなんて許さないよ?」
なんてなんともサディエストな雰囲気を漂わせながら相手に銃口を向ける。
それにしても物凄い殺気だ。
相手も飲み込まれているようだ。
「よし、お前も加われ!」
俺とフィアンマ、それからガンの少年は相手に向かう。
フィアンマが飛ぶ!そしていつの間に獲得したのか分からない技を出し始めた。
「——桜吹雪百花繚乱」
国の違う俺には言葉は分からなかったがうす桃色の花びらが舞いちり相手の目くらませに使われていた。
むせるような甘い香りが辺りを包む。
剣を立てに振るい、『乱』という字のようなものを描いている。
それにしても早い。ストロボスコープでとったような残像にしか見えない。