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Re: 【参照】五つの光、クリスティン。 【500だとぅっ!?】 ( No.82 )
日時: 2011/05/02 19:34
名前: 楓 ◆nxYfjsTN/c (ID: 3lmdTyLL)

話を聞くこと約30分。

その話の内容はこうだった。
まず絡まれていた天パ少年を助けるために女男がわってはいった。
だが上手くいかなかった。

これだけのことにご丁寧に身振り手振りを付けて話してきた女男は
本当に女っぽい顔つきをしていた。

「で、なんでお前はそんな強いのに奴らに立ち向かわなかったわけ?」

そのときすでに混乱から立ち直っていた俺は、天パ少年に聞いた。

「めんどくさかったから」

しらっと答えた天パ少年に軽く腹が立ったのは言うまでもない。

「ねーねー二人とも、名前はなんていうの?」

エリアルは持ち前の明るさで話しかけた。
こういうときこの性格って得だよなぁ…。

「私はヤマ。ヤマ・ジュヴァイアル。よろしくね」

先に言ったのは女男。長い髪が印象に残る、ちっさい男だ。
チッ、俺のときと態度がちげぇじゃねぇか。

「ボクはエルフィー・キースだよ?Lとでも呼んでよ」

こちらは態度の変わらない男。
天然パーマと細身の身体。髪は緑の右目を多い、ロングコートを着ていた。
話し方とは裏腹に冷たい印象を受ける。
それとも逃げ込んだ路地裏に吹き抜ける潮のにおいがほんのりとする風のせいだろうか。

「ヤマ、Lだな。よろしく」

握手を求めた俺はふと思う。マナを助けるためにでた、この旅で、
俺はホントに多くのものを得ている、と。
人との出会いが中心だが、頭を使うこと、異国の思想のこと。



「ところで君たちはどうして此処にきたんだい?観光ではなさそうだけど…」

俺達の姿を上から下まで赤いその目で一通り眺めたヤマは首をかしげて聞いてきた。
ポニーテールがゆれる。


「ああ、そうだった、お前、光について何か知らないか?
深海の深くの…」


最後まで言い終わらないうちにヤマの顔の血の気が引いた。

「あのお宝を探そうってのかい!?やめときな」

路地裏にぐわんぐわんとヤマの声が反響する。その路地裏でLは落書きをしている。


「それを集めなきゃなんねぇんだ」



赤い瞳をずっと見る。相手も本気のようだが、俺も、本気だ。