ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 【参照】五つの光、クリスティン。 【500だとぅっ!?】 ( No.83 )
- 日時: 2011/05/04 16:53
- 名前: 楓 ◆nxYfjsTN/c (ID: 3lmdTyLL)
しばらく沈黙がつづき、かもめが誰もいなくなった漁場で、落ちた魚を拾っているのが横目にみえる。
「こーんなお魚が守ってるんだって」
沈黙を破ったのは意外や意外、Lだった。
地面に白い石をつきたてその場所を示してみせる。
それは紛れもなく、サメだ。
「なんで、お前が知ってんの?」
またまた驚いたヤマは座り込み、Lに問う。
エルは首を傾げ
「さあ」
と一言つぶやく。
ヤマは脳震盪が起きるのではないかというくらい、Lを激しく揺さぶった。
Lの頭は取れそうなくらいゆれている。
「ちょっと待つでござるよ、それ以上したら脳震盪どころじゃなくなる」
仲裁に入ったのはフィアンマで、二人の間に入り込む。長身が役に立った。
「ねぇ、どうして、場所が知られたらいけないの?」
きょとんとしたエリアルは、ヤマに向かって問いかけた。
ヤマは頭を抱え上へ、下へ、左右へ動かすという妙な動きをやって見せた後、
重く、口を開いた。
俺らにしては重くもなんともないような気がしたが。
開口、30秒。
「それはよ、私達海賊の憧れ、ディラン海賊王の形見だからだ」
——そうか、ヤマ達海賊の…
ってえええええええ!!?
「お前、海賊!?」
ヤマは自分を指差しいう。
「海賊」
ずっと沈黙のLを除き、皆が声を失ったかのように口を閉じた。
海の音も聞こえないような気がした。
「…で、そのディラン海賊王の形見をどうして奪ってはいけないの?」
エリアルは言葉に詰まりそうになりながら、ヤマに問う。
ヤマは小さい身体を一周りりもふた周りもおおきくみせ、腰に手を当てて言った。
「ディラン様は凄い海賊なんだい!ディラン様にかかれば、どんなセキュリティーの高いお宝でもだな、盗めるんだよ」
また身振り手振りつけて、話す。これがこの男のクセなんだろう。
——セキュリティって…。それただの泥棒じゃねぇか、
とも思ったがそれをいうと怒りそうなので、言わないことにした。