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ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 蜘蛛ノ絲ニ絡ム蝶 ( No.3 )
- 日時: 2011/01/23 19:06
- 名前: 陰魔羅鬼 ◆ohBawF8LBM (ID: gwrG8cb2)
「おっ」
道中、車で登校中の藤間先輩に出会う。遅刻すれすれだが、車なら間に合うだろう。
「藤間先輩……。お早う御座います」
その出会いに若干驚きながら挨拶する。真理亜も後ろでぺこりと頭を下げた。
「遅刻するぞ。乗るか?」
珍しく素直に優しさを見せる藤間先輩。
「いいんですか?」
後ろで怯えたように問う真理亜。藤間先輩は優しいのだが、こういう事があると必ず見返りを求める。
「ああ。今回は俺のこれっぽちの素直な優しさだ。見返りなんて要求しねえよ」
と言いながら先輩は人差し指と親指でわずかな隙間を作る。今回は先輩の優しさに甘え、乗せてもらうことにした。
「しっかしガキくせえ顔だよな」
と真理亜を見ながら言う。真理亜は超童顔。下手すりゃ小学生程度にも見える。
「気にしてる事言わないで下さい」
そうやって少し拗ねた顔をするのがガキっぽいのだが、当の本人は全く気付かない。
「その仕草がガキくせえんだよ」
いつの間にか仲良くなっている先輩と真理亜に少し機嫌を悪くしながら、自分も真理亜と変わらないなと思う。
そして、車は安全にスピードを出し、学校に付く。しかし……。
「あっ」
校門はすでに閉まっている。完璧なる遅刻らしい。
「会った時にもたついたからな」
事もなさげに言う先輩と勇太を目尻に、真理亜は不安そうにオロオロしていた。
それから校門は開けてもらえて、どうにか普通に授業を受ける事が出来た。
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