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藤間ルート-壱-　「針の山」



今日たまたま出会った紅林真理亜。この世の穢れを知らされず生きてきたお嬢様。

　　　　　　　真っ白い肌には傷一つない。


　　　だ　か　ら　余　計　に　傷　つ　け　た　い
　


潔　癖　を　壊　し　た　い　　　無　垢　を　汚　し　た　い



そして、来栖勇太と言う奴から奪いたい。あいつはどんな顔をして真理亜を返してと懇願するのか。

跪き地を嘗め、額を擦りつけ、真理亜の為に必死になれるのだろうか。愛とはそれで証明できるもの。


「君を守る」だの「一生愛してる」だの、どうやってそれを証明する? 口先だけの約束。簡単に壊れる約束。


だから俺は知りたい。あいつは真理亜を本当に愛しているのか。真理亜の為になら死ぬ事も厭わないのか。


真理亜を一生閉じ込めて、自分の為だけに咲く花にしたい。
俺の命令を忠実に守り、俺が望むままの姿態を演じる。自分の人形にする。


これは俺の“愛”　愛おしいからこそ傷つけたい。愛おしいからこそ殺してしまいたい。



　　　　　　　　　　世間は俺を狂人と笑うだろうか。